日別アーカイブ: 2020年8月16日

ザ・パークハビオ月島フロント賃貸

竣 工 2019年10月
最寄駅 月島駅徒歩1分
総戸数 112戸

住 所 東京都中央区佃3-6-5
概 要 地上10階 RC造
駐車場 4台(平置式3台・身障者用1台)
■内覧予約・空室確認など、是非お気軽にお問い
合わせくださいませ。迅速にご対応いたします。

■物件名フリガナ
ザ・パークハビオツキシマフロント
The Parkhabio 月島フロント

■近隣周辺施設情報
スーパー文化堂月島店まで約140m
ダイエー月島店まで約430m
マルエツ佃店まで約530m
ローソン月島駅前店まで約110m
セブンイレブン月島駅前店まで約230m
セブンイレブン中央区佃2丁目店まで約260m
どらっぐぱぱす月島店まで約150m
どらっぐぱぱす月島1丁目店まで約310m
マツモトキヨシ佃二丁目店まで約600m
タリーズコーヒー月島駅前店まで約190m
マクドナルド月島駅前店まで約220m
てまりまで約250m
公立大学法人首都大学東京晴海キャンパスまで約430m
国立東京海洋大学越中島キャンパスまで約670m
東京都立晴海総合高校まで約430m
中央区立佃中学校まで約430m
中央区立晴海中学校まで約460m
中央区立佃島小学校まで約510m
中央区立月島第三小学校まで約550m
中央区立月島第一小学校まで約650m
保育所まぁむ月島駅前園分園まで約190m
月島保育園まで約200m
ちゃいれっく月島駅前保育園まで約210m
石川島記念病院まで約380m
中央佃郵便局まで約70m
京橋月島郵便局まで約440m
リバーシティ21郵便局まで約440m
中央区立月島図書館まで約390m
東京海洋大学附属図書館越中島分館まで約620m
石川島公園まで約470m
新月島公園まで約520m
越中島公園まで約610m

物件名 ザ・パークハビオ月島フロント賃貸
所在地 東京都中央区佃3-6-5
最寄駅 都営大江戸線「月島駅」徒歩1分
物件特徴 REIT系ブランドマンション、デザイナーズ、ペット可
構造規模 地上10階 RC造
総戸数 112戸 築年月 2019年10月

■駐車場   4台(平置式3台・身障者用1台)
■バイク置場 5台
■駐輪場   123台
―――――――
■設 計   村中建設株式会社東京支社一級建築士事務所
■施 工   村中建設株式会社東京支社
■管理形式  巡回管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   相談(敷1積増)
■楽 器   不可
■保証会社  利用必須
―――――――
■間取り
□1R(38戸)
□1K(47戸)
□1LDK(27戸)
□25.32㎡~43.99㎡

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。
※カード決済希望時の決済手数料は、引越代還元金より相殺となります。

地方の過疎地域の高齢化はすでに指摘され続けてきた問題であるが、近年、郊外の住宅団地の居住者の高齢化が始まっている。都心に遠く、造成分譲後数十年経過している団地などは高齢化が進み、地域全体が衰退化している。都心回帰でマンションなどへ30代を中心に大移動をしている背景があり、衰退地域はさらに地価が下落し、少子化の流れで新規に購入して参入する人がいないため櫛の歯が欠けたように空家が目立つ。

このようなエリア周辺では、近隣型商店舗が店をたたんで流出しているため、近くに日常の用をたせる施設もなくクルマに乗れない高齢者にとって生活環境が辛いものとなっており、防犯上も問題が多い。

これからはいわゆるシニア層が郊外の自宅を賃貸しして都心の分譲マンションを購入し、転居したり、ケア付き賃貸住宅や、安価で手軽なケアなし賃貸住宅に居住するケースの増加が予測される。いずれにせよ今後、本格的な高齢化社会を迎えるため社会的ニーズに合った高齢者住宅の仕組みや商品開発は急務であり、潜在需要も大きいが、現状では賃貸住宅の場合、家主は高齢者の入居を敬遠するため高齢者が入居するのは容易ではない。また高齢者の入居を受け入れる優良賃貸物件も少ない。

都市部のマンションも建物自体の老朽化に加え居住者が高齢化しているケースも多い。これまで供給されたマンションは、00年度末で385万戸、このうち築30年以上経過したものは12万戸であるが、10年後には93万戸に達する。都内の築年数の高いマンションは居住者が高齢化しているがエレベーターや手すりがなく、段差のあるところも少なくない。老朽化後は建て替えるという話になると建て替えの合意形成がなかなか難しい。

老朽化したマンションの高齢者は通常、低所得者が多く、金融機関からの借入れが難しい。また高齢者にとっては、建替え後の建物に長く居住できるとは考えないため、高齢でデベロッパーなどとの交渉能力が衰え、建て替えなど現状の変化より、修繕等を選択しがちである。修繕コストも老朽マンションは多額の費用負担が発生するため充分なメンテナンスが施されずスラム化していくこととなる。

法務省は「建物の区分所有等に関する法律及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」の施行日を6月1日と発表し、施行した。

マンション建て替え円滑化法は、マンションの建て替えに賛成する入居者で組織する「建替組合」に法人格を与え、工事契約を結びやすくする。すなわち入居者が区分所有者法に基づく建て替え決議をした場合、「建て替え組合」に法人格を与えることにより、従前は工事請負会社と入居者が個別に契約する必要があったが、組合が一括して契約可能となり、手続きを簡素化できる。この法案の成立により入居者の登記を「建て替え組合」が一括して申請できる利点もある。また、建て替え前に保有していた所有権などの権利が、建て替え後のマンションに権利変換によりそのまま移行する。

改正後の区分所有法では建替え決議の要件の合理化及び手続きを整備した。従来の「4/5以上の賛成と建物の維持・回復に過分の費用を要するに至った」という要件を見直し、改正後の要件は「4/5以上の賛成」のみとした。ただし、集会の招集通知を2月以上前に発すること、理由、維持・回復費用の内訳、修繕積立金の額等も併せて通知することとされた。建替えを促進する為の諸条件の整備が前進した。

区分所有法の整備などによるマンションの建て替えの円滑化の実効性は疑問である。敷地権新設前の古いマンションでは、地上権、賃借権が錯綜し、建て替えに際しての権利調整が困難なケース想定され、また少子化、景気低迷でマンション価格が先行き不透明な現在では、余剰床の分譲による建替え資金捻出が悲観的な状況が進んでいる。

政府は都市再生で職住近接、高層マンション供給など謳っているが、少子高齢化に対応した都市づくりをきめ細かく戦略的にすべきだ。

森地茂東大教授の言葉を引用すると、「高齢化と住宅、都市施設は極めて密接な関係があるはずだが実際には高齢化社会と都市全体像をとらえた鳥瞰図のようなものが意外にない」。

高齢化と都市の問題は高齢化社会を本格的に迎える日本の重要な課題といえる。

民亊法務協会は「オンライン登記申請制度研究会中間報告書」を「登記研究」誌上で発表した。登記の申請・届出等手続きの電子化は政府全体の方針としての各省庁間のワンストップサービスへの移行などにそったものであり、法務省も従来から法務行政の情報化を推進してきており、原則として03年度までに国の申請手続きのすべてについてオンライン化を目標としている。

ただし不動産登記制度および商業法人登記制度の現在のシステムは、日本語処理等のための大規模システムであり、情報処理技術が未発達な時代に作られたものであることから、効率的かつ抜本的な登記申請のオンライン化を実現するためには、前提として大規模システムの再構築が必要であり、また登記の申請は、申請書および添付書面で登記の正確さを確保し、かつ受付の順序で権利の優劣が決定されるためオンライン化にあたっては法制面、技術面にわたり登記制度の見直しを行うなどが必要なので04年度中にオンライン化を実現する予定である。

表示登記は、地籍測量図、建物図面など添付書面が多く、順位確保の問題がない、実地調査が行われるなどからオンラインの対象にするか今後の検討課題となった

不動産関連情報、例えば固定資産標準地価格や都市計画の用途地域、その他規制、道路認定の有無、42条2項などの事跡がウェブ上で公開されるのは電子政府化の実現で夢ではなくなる。

これらの情報公開にはGISの活用が欠かせない。G-XML仕様の開発にむけて通産省が呼びかけた産学官標準化委員会が発足している。G-XML3.0が現バージョンであるが03年には世界標準が制定される予定である。このG-XMLの標準制定は、異なるデータフォーマットやアプリケーション間においてもインターネット上で自由に地理・空間情報を交換することができる相互運用基盤の成立を意味する。

例えばGIS統合レベルでは1/500は、道路管理、上下水道管理、固定資産税管理など「施設管理系」に利用され、1/2500は、都市計画、商工、観光、広報、情報発信など「都市計画系」で利用されているが、自冶体の各部署で分散管理されてきた地図情報データをG-XML(後述する)で統合管理される。統合管理された一覧性が高い情報が自宅やオフィスのPCで見れる時代が間もなく訪れようとしている。

現在、GISの標準化については国土建設省が中心となって、道路、河川、行政区界、基準点などの空間データ基盤、デジタル画像それぞれ整備・研究を進めている。各省庁もこのGIS構想に沿ってそれぞれがGISの整備を開始している。

利用者は、クリアリングハウスにアクセスする。クリアリングハウスとは地形図、航空写真、地質情報、標高情報、道路幅員、都市計画情報、家屋の位置・形状・規模、居住者の多様な情報などのデジタル化された空間情報を格納する巨大データベースである。

ここから特定の位置情報で関連づけられたメタデータ(要するにカタログ)、ここに、たとえばデータの種類だとか特質、利用料金、入手方法といったものを標準化して登録しておく。仮に、登記情報をメタデータとして登録すれば、そこから利用者は、登記情報にアクセスすることができる。このクリアリングハウスを各省が持つのかは不透明だが、現時点では、各省庁が自分が保有するデータでクリアリングハウスを構築していくという形のようだ。こういった状況の中で、地番と境界という最も基礎的なデータを所管している法務局としても、地番、境界といった地図データを基盤にして、その上に登記情報データであるとか、更に地積測量図、建物図面等々登記所が保管する各種データを重ね合わせて利用する、「登記所版GIS」を構築することが技術的には十分可能な時代となっている。

不動産関連業者に限らずGISを使い自治体職員は住民からの相談に対し、地理的状況を踏まえて適切な判断が可能となる。住民基本台帳の管理を行う住民情報システムと地図情報を連動させ地図上の任意の地点からそこにある世帯の住民情報を呼び出したり住民情報から地図上で居住地を示すことができるため、ごみ収集場所の決定や各種相談員の紹介に効果を発揮したりする。

パークアクシス月島マチュアスタイル賃貸

竣 工 2015年10月
最寄駅 月島駅徒歩1分
総戸数 47戸

住 所 東京都中央区月島1-3-12
概 要 地上12階 地下1階 RC造
駐車場 7台(平置式1台・機械式6台)
■内覧予約・空室確認など、是非お気軽にお問い
合わせくださいませ。迅速にご対応いたします。

■物件名フリガナ
パークアクシスツキシママチュアスタイル
Park Axis 月島マチュアスタイル

■近隣周辺施設情報
スーパー文化堂月島店まで約230m
ローソン月島駅前店まで約190m
セブンイレブン月島駅前店まで約200m
タリーズコーヒー月島駅前店まで約110m
マクドナルド月島駅前店まで約120m
てまりまで約150m
中央区立月島第一幼稚園まで約590m
勝どき保育園まで約860m
中央区立月島第一小学校まで約640m
中央区立佃中学校まで約510m
ジョナサン月島店まで約300m
モスバーガー月島店まで約320m

物件名 パークアクシス月島マチュアスタイル賃貸
所在地 東京都中央区月島1-3-12
最寄駅 東京メトロ有楽町線「月島駅」徒歩1分
物件特徴 REIT系ブランドマンション、デザイナーズ、ペット可
構造規模 地上12階 地下1階 RC造
総戸数 47戸 築年月 2015年10月

■駐車場   7台(平置式1台・機械式150台)
月額46,200円
■バイク置場 4台/月額3,300円
■駐輪場   56台/登録料1,100円
―――――――
■設 計   株式会社安井建築設計事務所
■施 工   清水建設株式会社
■管理形式  通勤管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   相談(敷1積増)
■楽 器   ピアノ相談可
■保証会社  利用必須(RA・CASA・OFI)
大手法人等保証会社未加入の場合、敷金2ヶ月必須
―――――――
■間取り
□Studio~2LDK(40.03㎡~68.86㎡)
―――――――
■共用施設
□1階    ラウンジ
―――――――
■サービス
□朝食サービス
□カフェサービス
□レセプションサービス
□ホームエイドサービス
□タニタ健康プログラム

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。
※カード決済希望時の決済手数料は、引越代還元金より相殺となります。

今後の住宅地の地価を考えるには、購入者である需要側の有効需要の大きさを決める雇用と所得の今後の動向を予測することが重要である。居住のために戸建てやマンションを購入する際は、購入者は、土地購入額と将来の雇用不安・所得を慎重に秤にかけるし、アパートや賃貸マンションの投資にしても賃借人の所得が家賃負担力を決め、家賃の高低が投資用不動産の収益価格を決定するからだ。このコラムでマクロ的視点から今後の雇用やサラリーマンなど勤労者の所得動向について考えてみよう。

今後の雇用や所得を予測するには、いま国内で起きている労働市場や所得環境の激変に注目すべきである。なぜなら今までの既成観念の枠でこれらを把握することは通用しなくなっているからだ。そのキワードは少子高齢化とITと国内の巨額の財政赤字・公債償還の世代間不公平である。これらのキーワードは複雑に相互関連しているため、将来予測をより不透明なものにしている。

企業収益は景気回復を受け改善しているが、景気回復の割に賃金が伸びていない。その要因としては、企業のリストラはやや一服したものの、依然として人件費の増加に慎重になっており、一般労働者に比べて給与の相対的に低いパートタイム労働者の比率が上昇していることがある。正社員にしても基本給を抑えて、業績の改善は一時金で処理するという姿勢を持つ企業が多い。労働分配率は、生産性と実質賃金の相対的な大きさで決まるが、02年には、生産性が低下するなかで、賃金が名目だけでなく実質でも大幅に引き下げられたことによって、分配率はGDP比で1%程度低下した。03年においても、労働分配率はさらに低下したが、これは労働生産性が2.4%上昇するなかで、実質賃金の伸びがそれを大幅に下回る1%程度に抑制されているためである。景気回復が継続していけば、残業代や一時金という形で雇用者の賃金が徐々に増えていくことが期待されるものの所定内給与は依然として下落ないしは抑制されている。

1,000兆円に膨れ上がった国内の財政赤字という公的債務がもたらす世代間不公平の問題は、将来世代の増税という形で過去世代が負うべき負担が将来世代に転嫁されるため長期的視点で日本経済、さらには地価を考える上で重要な要因となる。将来世代の生産年齢に該当する人口はこれから急激に減少する時代を迎える。特に高齢化が進むなか年金や医療、福祉の給付負担の世代間不均衡は深刻である。国内では年金・医療給付が既に5分の1を超えている。日本経済新聞によると現在、年金給付を100とすると医療給付57、介護給付11を高齢者に払っている。20年後には、年金給付を同様に100とすると医療給付71、介護給付は24になる。つまり高齢者一人に対して支払われる医療給付は年金よりはるかに速いペースで増えることになる。こうした給付を支えるのはほかならぬ現役労働者である。賃金の上昇以上にこれらの負担が増大すると実質的には所得減少をもたらし、将来の地価形成にマイナスの影響を与える。

99年「世代会計の国際比較」という研究報告がなされたが、同報告によると世代間均衡を達成する方法として2つの代替案が示された。1つは所得税を即時かつ恒久的に54%引き上げる。2つめは年金や福祉手当、健康保険給付、失業給付、障害給付などあらゆる移転給付を即時かつ恒久的に29%削減することである。現在、日本政府はこのような政策を取る気配はない。

厚生労働省が25日発表した調査によると世帯ごとの所得のばらつきを示す指標が、02年時点で過去最高を更新した。世帯ごとの所得格差の大きさを表す「ジニ係数」が大きいほど所得格差が大きいが、02年は0.4983と前回調査(99年)より0.0263高くなった。ジニ係数が0.5になると、所得の高い方から4分の1の世帯が全体の所得の4分の3を占める状態とされ、日本はほぼこの状態になっている。

「所得再分配前の不公平等の拡大は所得水準が低下する高齢化の進展が主因と見られるが、労働市場や賃金制度の変化も見逃せない。成績主義の強化により「勝ち組」と「負け組」の二極化が進んでいることや、フリーターな90年代後半から失業率が急速に高まり、低所得層が拡大。能力・実績主義の賃金制度の浸透で、いわゆる「勝ち組」と「負け組み」の所得格差も広がったのであろう」(日本経済新聞)。

家計経済研究所の「消費生活に関するパネル調査」に樋口善美雄慶大教授、財務省財務総合政策研究所が行った分析結果によると所得格差は、90年代後半から拡大し、学歴間、企業規模間、職種間の所得格差は97年から01年にかけ拡大している。さらに所得階層は固定化の兆しを見せている。

雇用状況は02年8月に完全失業率が5.5%と過去最悪を記録した時期から回復に向かい、04年に入ってから4%台で推移している。雇用を伸ばしているのは医療、福祉、サービス業などの一部の第3次産業であるが、卸・小売業、製造業、情報通信などでも雇用はやや改善している。このように失業率は若干低下しているものの失業期間が1年以上に及ぶ長期失業の数は、04年第1四半期で112万人と依然として高い水準が続いており、失業者全体に占める長期失業者の割合は、わずかながら低下したが、約3分の1となっている。長期失業者の年齢別では、25歳から34歳の若年層の長期失業者数が最も多く、かつ全体の長期失業が若干低下するなかでも、この層の長期失業者は依然として増加が続いている。その背景は企業が即戦力の人材を獲得したがるため若年者を雇用する機会が減少し、若年層にしてもフリーターという形で非正規の職に就く者の数が増えており、非正規の職に就いた若年が正規の職に就く確率は低く、フリーターの状態が固定化しているからだ。

企業は人件費抑制のため正社員の雇用は減少し、派遣やパートなどの非正社員の雇用を増加させているがこの傾向は数年は継続するものと思われるが、これから本格的な人口減少時代が到来するため労働力が不足する時代を迎えるという見解もある。総合研究開発機構の神田玲子主任研究員は、07年頃から始まる団塊世代の大量退職により構造的な労働力不足の時代に入ると予測している。

しかし雇用のミスマッチは拡大する懸念がある。企業はバブル崩壊後は中高年の雇用維持のため新規採用を絞り、若年層の失業率は高まっている。企業は即戦力を求めるあまり20歳代の重要な時期に教育は職業訓練の機会や場を与えていない。技術や知識の組織的な伝承システムがすでに崩壊しているからだ。そのことによってさらに若年層は、失業・非正規状態から抜け出すことが困難となる。

住宅地の地価や賃料に国民所得の相関は強いが、今後の国民所得動向は、労働生産性が向上し、労働分配率も向上するので賃金は上昇し、少子化の進行が加速しても経済規模は縮小するが、人口もその分減るので一人当たり国民所得は横ばいで推移するという楽感的な見方や国内財政の危機的赤字は加速し、賃金が仮に上昇しても将来のシナリオとして増税等の負担転嫁のため実質所得は減少し、歴史的低金利からの金利上昇もありなので住宅需要は冷え込むというシビアな将来予測もある。

いずれにせよ少子化と晩婚化、さらには結婚をしないという層の増加は、住宅購入需要の絶対量を減少させる。賃貸住宅の場合、単身者、新婚カップルなどを主なターゲットとしているため需要減は否めない。近年の一人っ子の増加は親の住宅を相続できるため新規に住宅地を購入するという意欲を減少させている。いままでは子育ての期間にそれなりの住居スペースを必要とするため相続タイミングを待てず住宅を購入するというパターンが多かったが、少子化時代ではそのような必要もない。ライフスタイルにあわせ転居が可能な賃貸志向に向かうことも考えられる。政府などによるリバースモーゲージ制度が充実し普及すれば老後の持ち家による年金代わりの所得も期待できるので持ち家志向も増えるだろう。

住宅地の地価水準を形成する需要者の所得という視点で予測すれば、ITなど技術革新が進み企業も雇用労働者も勝ち組負け組みがより鮮明になる。

日本経済新聞社が住宅、マンション大手を対象に調査した結果、回答企業の8割強が03年はこれを下回ると見ており、将来の100万戸割れを予想する企業も6割強に達した。少子高齢化、国内産業の空洞化、減損会計導入などの構造的地価下落要因に加え政府の不良債権処理の実施、低迷する景気、デフレの進行は、長期にわたり地価下落が続くことを不動産周辺業界はすでに織り込んで各事業の再編を図っている。冷え込む住宅需要、ピークを過ぎ陰りが出てきたマンション需要、オフィスの2003年問題、公共事業の予算削減と厳しさを増す環境にハウスメーカー、不動産会社、ゼネコンは危機感が強く、既存事業の差別化や様々な新事業へシフトしている。

ハウスメーカー各社の新事業展開の主要なものは既存住宅の維持・補修や増改築といったリフォーム事業と介護・福祉施設や高齢者向け住宅開発であり、大手デベロッパーは不動産の保有と運営の分離を進めるREITをはじめ提案型ビジネスで手数料を稼ぐビジネスモデル、ゼネコンは技術の外販、デューデリジェンス、土壌汚染など環境分野である。中小不動産業者はニッチ市場へ画期的なコスト低下で事業展開をしている。本コラムで提案型、ニッチ市場型、差別特化型という視点で業界が模索する、なかには意外なものもある事業展開を観てみよう。

スーパーなど大型小売店は、店舗周辺の交通渋滞などに配慮して一定の広さの駐車場を確保する必要がある。従来まではあくまでも来店客へのサービスの一環で、駐車場の最大稼動を引き出し、収益拡大するという発想が乏しかった。しかし不況下で小売店にも、資産の有効活用の推進という動きが強まり広がっている。三井不動産販売はここに目をつけた。同社の駐車場運営のノウハウを生かし、スーパーの来店客用駐車場の稼働率を高める提案型ビジネスの展開を始めた。

同社が駐車場事業に参入したのは94年。10年足らずの新規部門だが、売上高から原価を差し引いた粗利益ベースで全体の約一割を占める。時間貸し駐車場「リパーク」、月決め駐車場「キーパーズ」、大型駐車場「メガリパーク」はいずれも原則として、土地を借り上げて直接運営する事業。そこで培った経営ノウハウを結集した。

既存の駐車場の運営支援を売り物にする「リパークW」事業は99年に開始し、現在、首都圏のスーパーや百貨店の付属駐車場を中心に約20ヶ所の顧客と契約し、稼働率向上を実現させている。顧客から、必要経費のほか、効率が向上した分の一定歩合を得る。

「提案力を支えるのが、駐車場の稼動情報を把握・分析する独自のシステム。駐車場のゲートとコンピュータを連動させ、車両の入出庫や曜日・時間帯別の売り上げをつかむ「インテリジェントゲートシステム」、周辺の駐車場の利用需要などを加味して運営上の問題点を明らかにする診断システム「ドクター・リパーク」だ。駐車場業者が技術開発で手掛けるのは珍しいが、顧客に売り込みをかける時、顧客的なデータを示すことで説得力を高められる。営業エリアも首都圏だけでなく関西、名古屋圏で拡大していく。技術面では、利用者の利便性を高めるキャッシュレス化を検討していく」(日経産業新聞)。

鹿島と応用地質の共同出資会社であるイー・アール・エス(ERS)は企業の保有資産を損なう地震や土壌汚染などのリスクや企業の信頼を損なう要因となる潜在リスクを分析し回避する手段を提案する。民間企業だけでなく、国道脇の斜面の崩壊リスクの調査など、官公庁向けも行う。

応用地質は地質調査最大手。建物の鹿島と土地の応用地質という不動産の二大分野に精通した両社がノウハウを出し合い、地震や土壌汚染対策、資産評価など不動産全般に関するコンサルティング事業の確立を狙い98年11月イー・アール・エスを折半出資で設立した。事業内容を同社サイトから引用すると、

長引く不況による個人破産の増加や不良債権処理の加速で全国の裁判所の競売物件は増加している。購入ローンが可能となり、インターネットのサイトでの公開などで素人の競売参入も増えているが、リスクが高く専門的知識を要求されるため現実には不動産会社などプロが多い。

プロが通常、買いを入れるのは建物の損傷が少ない所謂「築浅」物件で、経年が大きい物件は再販のためのリフォーム費用が高くなるため落札を敬遠する。特に地方は需要も少ないため売却できず、その多くが老朽化し放置状態にあった。住宅販売会社やすらぎ(群馬県桐生市)は、裁判所の競売にかけられた中古戸建住宅を買い取り、リフォームして再販売する事業で急成長している会社だがそうした不人気物件に目をつけた。このビジネスモデルの成否は通常は膨大な額になると見込まれるリフォーム費用をいかに安くするかである。

リフォーム工事の場合、多くの職人が様々な工種を少しずつ工事をすることになる。新築のようにまとめて工事ができないので作業効率が悪く、現場に入る工事の種類が多ければ多いほど工事金額は上がってしまう。特に給排水工事では、1ヶ所トイレを増設しただけで給水と雑排水、汚水と3種類の配管工事が発生して、工事金額を押し上げる。そこで水道、電気、大工、設備(浴室、キッチンの組立てなど)工事をひとりでこなし、かつ優れた技術を持つ「多能工」の採用により人件費、工期を抑える。

やすらぎは全国400社近くの工務店を組織。1人の職人が複数の仕事をこなす「多能工」方式を指導し、工事の効率を向上させ、コストを相場の半分以下に下げ築10年、20年の物件でも利益が出る事業モデルをつくり上げた。営業拠点の大半が地方裁判所のそばに置き今期中に全都道府県に拠点を開設。販売戸数は前期比2割増の1,000戸強を目標にする。

羽田空港に隣接する東京都大田区の工業団地、工場を地方に移転、閉鎖した跡地が目立つが、最近、更地化したあちこちに急に駐車場が出現している。工場跡地を短期契約で借り上げ駐車場にするケースだ。狙いは空港利用客。運営の仕組みには、小規模業者の企業のデフレ下での生き残り策が見えてくる。

「この地区で駐車場を運営する企業の最大手と目されているのが、京浜建設。常勤は社長と事務の女性の二人だけだが、「つばさパーキング」の名称で空港利用客の乗用車を1日に300~500台、年末や夏のピークには1,000台程度を預かつている。工場を閉鎖、縮小した企業から遊休地を3年程度の契約で借り受ける。駐車場への設備費は基本的に地主持ち。羽田から出張したり家族旅行に出かける人たちの車を預ける。客に大田区京浜島や城南島の工業団地内の駐車場まで来てもらい、空港へは専用のレンタカーで送迎する。車は2、3日預けるので用地いっぱいにぎっしり詰め込む。通常の貸し駐車場に比べ、土地の利用効率は極めて高い。客はインターネットで集める。ほとんどの客がネット上で「つばさパーキング」を探して予約。ホームページの地図を見て、駐車場に来てくれる。料金は1泊2日4,300円、2泊3日6,000円と、既存業者よりやや割安に設定した。受付、車の整理、客の空港までの送迎はすべて約40人のアルバイト。年商は今のところ2億円程度だが、経常利益率は30%を突破する」(日経済産業新聞)。

SOHOシンクタンクによるSOHOの定義は「情報通信機器を活用し、自宅または小規模なオフィスで事業を行なうこと」としている。SOHOを行なう者を、「SOHO事業者」としており、個人(被雇用者含む)および法人が含まれる。

情報通信時代の新しい生き方である「ワークスタイルとライフスタイルの融合」が、SOHO事業の基本コンセプトであり、SOHO人口の増加を反映して都心型SOHO賃貸住宅が増加している。入居者は、プログラマー、税理士、建築家、デザイナーなど時間に関係なく仕事する人たちが多く、24時間効率的に仕事ができる機能性と睡眠や食事、シャワーなど住宅に求められる快適な生活環境も重要な要素になる。この要件を備えて従来のワンルームと一線を画し、SOHOマンションとよばれる。

まず、全体的に専有面積が広い。従来のワンルームマンションは、一戸当たりの専有面積が20㎡前後以下というものが大半だった。対してSOHOマンションは、広さが底上げされるとともに、二人程度の小家族でも暮らせるほどの広さを確保したタイプもそろえられている点が特徴だ。具体低には、30㎡前後~50㎡台のものが少なくない。住居部分とワークスペースを扉や段差で仕切り、玄関を2つ設け、住宅用の入り口と別の玄関があり、仕事上の来客は専用のオートロック玄関から訪問できるタイプやメゾネットタイプで、階段を上下することでオフィスと居住空間を切り分け玄関が2つあるので仕事での来客に対応できるものなどがある。また有料で打ち合わせなどができる共有の集会所が使用できるものもある。

さらに設備・共用施設・サポートシステムが充実している。ワンルームは、単に空間を提供するだけで設備も通信関係では電話・テレビ回線程度が多いが、SOHOでは、ブロードバンド対応の回線やマルチメディアコンセントなどを標準装備。通常が30Aの電気容量を最大100Aまで拡大可能であったり、エントランスにミーティングコーナーや二十四時間対応の宅配ボックスを設置するほか、クリーニング集配や生活必需品の宅配などのサポートサービスを行っているケースもある。今後、ブロードバンドの急速な普及、IT化がさらに需要を刺激すると予測される。

全国で65歳以上の高齢者がいる世帯は約1,540万世帯、全世帯の3分の1に達する。またこのうち高齢者夫婦世帯と高齢者単身世帯は、高齢者のいる世帯の約50%を占める。高齢者人口は今後、増加し、15年には総人口の4分の1になる。現在、高齢者は持家が多いが建物設備、構造に高齢者対策がなされている住宅は僅かで高齢者だけの住宅では維持費がかかることから利便性の高い賃貸住宅に住み替えのニーズは高いといわれている。

借家人については、死ぬまで借家に住める「終身建物賃貸借制度」を創設。病気などで家賃を滞納した場合でも半年間は公的機関が債務保証をする。家主には賃貸住宅のバリアフリー化のための工事費を国と自治体が補助を行なう。

などの補助制度を設けて、高齢者向けに賃貸住宅の市場整備拡大を目標に民間支援をしており、一般住宅市場が縮小するなか潜在需要の大きい介護住宅への期待が高まっている。

政府のこうした手当てに反し、現実問題として家主は高齢者の入居を敬遠するため高齢者が入居するのは容易ではない。また高齢者の入居を受け入れる優良賃貸物件も少ない。

高齢者向け集合住宅は、有料老人ホームや老人保健施設に求められる環境・設備は必要でなく、バリアフリー対応と緊急時に対応可能なレベルの機能があり、福祉事業所と連携しての給食・介護・福祉器具貸し出し等のサービス、また医療機関と連携して健康診断、リハビリテーション等をそれぞれ行い、必要なときにこれらの機能を利用できる施設といえる。

長谷工総合研究所の調査によると90年代後半以降、高齢者(50歳以上)のマンション購入が4件に1件の割合まで高まっている。高齢者介護付マンションが今後の市場として注目されるのはその潜在需要にあるため、高齢者市場を狙い全国で高齢者向けのケア付きマンションが建設、計画され始めている。

「不動産管理会社のシンカイは福井市の中心部で、高齢者向けのケア付きマンションを展開している。要介護認定を受けているが、「施設には入りたくないし、自宅だと買い物などが不便」という高齢者に利用してもらう狙いだ。部屋はバリアフリー対応型で、ホームヘルパーの派遣など様々な介護関連のサービスがセットになっている。ヘルパー派遣、介護用品の紹介や食事の宅配、警備会社によるセキュリティーサービスなどだ。病院の予約やタクシーの送り迎えの手配も可能。部屋には警備会社とつながった専用端末を設置。高齢者はボタンを押してコールセンターを呼び出して、利用したいサービスを伝える。センターには警備会社の社員のほか、準看護師と介護サービス団体の職員が常駐。各種サービスを手配するほか、急病や事故にも対応できる体制を整えた。部屋の賃料は2LDKで65,000~71,000円。サービスの基本料が6,000円。利用したサービスごとに別に料金がかかる。平均すると月12万~14万円程度の負担となり、高齢者にも利用しやすい料金設定にしたという。マンションは00年12月に一棟目が完成、18室ある部屋のうち6室を高齢者向けとして入居者の募集を開始。1ヶ月たたずに全室埋まった。プライバシーの守れない施設を嫌がるが、マンションなら納得しやすい。今後は新規の一棟建てだけでなく、リフォームで数部屋ずつこのシステムに対応する物件に取り組みたい」(日経産業新聞)。

介護付マンションの場合、入居率80%以上が損益分岐点と言われているが、この事業の難しさは事業拡大を狙い、介護者の育成に手抜きすれば、人を預かる仕事であるため一挙に信用を失う事態が発生する。事業はその段階で破綻するというリスクを抱える。

現在はケア付き住宅の需要が多いが、介護保険による在宅サービスが充実してくると安価で手軽なケアなし賃貸住宅の需要も増加すると予測される。いずれにせよ今後、本格的な高齢化社会を迎えるため社会的ニーズに合った高齢者住宅の仕組みや商品開発は急務であり、潜在需要も大きい。

フトューロ東神田賃貸

竣 工 2020年8月
最寄駅 浅草橋駅徒歩3分
総戸数 16戸

住 所 東京都千代田区東神田3-4-8
概 要 地上11階 RC造
駐車場 ―
■内覧予約・空室確認など、是非お気軽にお問い
合わせくださいませ。迅速にご対応いたします。

■物件名フリガナ
フトューロヒガシカンダ
Futuro東神田

■近隣周辺施設情報
中央区立日本橋中学校まで約950m
台東区立蔵前小学校まで約280m
三井記念病院まで約540m
左衛門橋南児童遊園まで約200m
美倉橋東児童遊園まで約270m
美倉橋北児童遊園まで約240m
まいばすけっと浅草橋1丁目店まで約180m
ファミリーマート神田佐久間町店まで約210m
スギ薬局岩本町店まで約560m
なか卯秋葉原昭和通り口店まで約330m
東神田郵便局まで約310m
ゆうちょ銀行浅草橋郵便局近江屋ビルATMまで約420m

物件名 フトューロ東神田賃貸
所在地 東京都千代田区東神田3-4-8
最寄駅 JR中央・総武線「浅草橋駅」徒歩3分
物件特徴 REIT系ブランドマンション、デザイナーズ
構造規模 地上11階 RC造
総戸数 16戸 築年月 2020年8月

■駐車場   ―
■バイク置場 ―
■駐輪場   ―
―――――――
■設 計   ―
■施 工   ―
■管理形式  巡回管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   不可
■楽 器   不可
■保証会社  利用必須
―――――――
■間取り
□1LDK(43.42㎡)

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。
※カード決済希望時の決済手数料は、引越代還元金より相殺となります。

国内の地価はオフィスビルの空室率などに依然として改善が見られず、厳しさが続く商業地に比べ、マンションに月間契約率・販売在庫の好転や一部の戸建販売が好調でデベロッパーが用地取得に動き出した住宅地は明るさが見えてきた。

その主因は住宅ローン減税、住宅版エコポイント制度、贈与税の非課税措置の拡大など政府の住宅施策が効を奏しているのと国内景気の回復が遅行性のある家計の雇用や所得にも徐々に波及し、住宅の有効需要に改善の兆しが見え始めたことによる。

しかし、国内の地価は景気循環に連動して上下動するエリアと景気循環とは別次元の構造的要因で下落を続ける都市やエリアがある。今回のコラムでは構造的要因で下落し続ける地域のいくつかの例を挙げて当該地域に見られる特性を論考する。

かつて日本列島の大都市では高度経済成長期に団塊世代等の働き手を大量に吸引し膨張した。その拡大エネルギーは、都市部から溢れ都市郊外や縁辺部の市町にまで波及した。大型住宅団地をはじめミニ開発の小規模造成地等が人口急増の受け皿となって拡散し、住宅地がスプロール的に形成されていった。この状況は、高度経済成長で毎年、農村部から沿海部の都市へ1,500万人の人口が移動し、都市化の急伸で不動産価格が上昇している今の中国に相似している。

住宅団地の郊外等への拡散と並行するように都市部の市街地と郊外や周辺都市を繋ぐ幹線道路を中心に沿路サービス業施設が建ち並び、さらに大型住宅団地内部や最寄駅前には近隣型商店が集積した。

思えばこの時代は高度経済成長に支えられて家計所得が伸び、相まって地価が右肩上がりに上昇、いつしか土地神話が日本人の頭に刷り込まれ、「明日は今日よりも豊かになれる」と誰もが信じられた幸せな時代であった。

しかし、人口減少、少子高齢化時代が本格的に到来し、膨張と拡散を繰り返した住宅地や商業地の一部は時代変化に適合しなくなった。郊外拡散の反省から1990年代後半に入り、都心回帰へ転回し、まちづくり3法の改正などに見るように郊外化の抑制、中心市街地活性を志向するコンパクトシティへと時代はパラダイム転換した。つまり身の丈に合ったサイズまで都市規模を凝集する動きが鮮明になってきたのである。

人口減少と高齢化が急速に進むなか拡散して不適となってしまった住宅地や商業地にも張り巡らされ蓄積された様々な社会インフラがある。この先、これらの投資を支え続けることは無理なことに皆が薄々気付き始めた。そのような時代変化を反映し郊外等の居住不適地や過剰な商業集積が削減・縮小し、コンパクトシティへ凝縮されていく逆流現象が好むと好まずるに関わらず不可避になってきている。

このような時代背景のなか、近年になってその不適性が鮮明になり地価下落が続く地域が浮き彫りになってきた。そのような地域として居住しようという不動産需要が殆ど発生しない過疎化が進む山間集落や離島の集落が直ぐに思い浮かぶが、実は大都市圏の郊外部などにも地価下落が続いているエリアが見られる。そのような地域をいくつか取り上げ、そこに観られる地域特性を考えてみよう。

近年の人口の都心回帰傾向でその存在が脆弱化しているのが首都圏郊外の大型住宅団地等に見られる高齢化率が高い住宅地域である。郊外や大都市縁辺部に形成された大型住宅団地は、その多くが膨張・拡散エネルギーが強かった昭和40~50年代に居住が始まったもので時の経過とともに居住者の高齢化が進んでいる。

日本経済新聞によると、「総務省が発表した09年10月1日現在の推計人口によると都市部とその近郊の高齢化が鮮明になっている。老年人口の伸びを前年比でみると、埼玉県(4.9%)が最も高く、千葉県(4.7%)、神奈川県(4.3%)が続いた。一方、秋田県や鳥取県などの地方は低い伸びにとどまっている。埼玉、千葉、神奈川では、75歳以上の人口の伸びも5%を超えた。全国平均の3・7%を大幅に上回っている。都市部ではもともと、総人口に占める高齢者の割合が地方より低かった。だが1960年代前後に仕事を求めて都市部に集まった世代が高齢化し、ここにきて高齢者の割合が上昇している。首都圏郊外の新興住宅地などに住む「団塊の世代」を中心に、都市部の高齢化はさらに急ピッチで進む。」

そして高齢居住者の子供世代は通学や就職、転勤などで親元を離れ、その後に親と同居するケースは比較的少ない。高齢化した夫婦が家に残り、やがて独居老人になっていく。生産年齢層が郊外住宅地域、特に利便性が劣るエリアを買い求めて新たに転入してくる例は少ない。利便性が高い都心部や都心に近い立地のマンションを志向するのが近年の傾向だからだ。

当該エリアに住む高齢化した夫婦も都心のマンションを志向するケースが増加している。その結果、これらのエリアの買い手が減少し空き家が増え、後述する「買い物難民」や「買い物弱者」が増えて、益々居住不適性が高まり、不動産価格の下落が加速している。

近年の都心回帰の対極になる都心部へのアクセスが極めて劣るバス便等の郊外住宅団地の下落は特に大きい。また街路・街区の構成が劣悪なミニ開発分譲地などは販売時に低価格を競争力として重視したため土地・建物が現在の居住水準を満たさないくらい狭小で都心から遠く離れた通勤限界地に位置することが多く、住宅地としての基本的な品質の欠落に加え利便性や住環境面で市場性に乏しく地価下落が周辺エリアと比べて大きいようだ。

郊外住宅団地の高齢化や居住者の減少は、これらの居住者を商圏として形成された近隣商業地域の瓦解と消失を起こしている。居住者から見ると「買い物難民」「買い物弱者」が増加しているわけだ。このような現象は1990年代半ばからすでに指摘されていた。例えば、大阪の千里ニュータウン、東京・多摩地区の団地、地方都市の駅前などでスーパーなどが閉鎖されて生鮮食料品などが買えなくなる「買い物砂漠」が発生し、メディアに取り上げられた。

「首都大学東京の研究者が、多摩ニュータウンで初期に開発された2地区の商店街の変遷を調べ、08年に論文を発表した。それぞれ29の店舗と1つの食品スーパーで構成していたが、2000年前後から青果店や精肉店、飲食店が消え始め、空き店舗が増加。スーパーは1つが閉鎖、もう1つは経営母体が変わった。経営環境が急速に悪化したのはやはりここ10年だそうだ」(日経MJ)。

郊外住宅団地の高齢化等による疲弊が、これらを商圏とする近隣商業地域の衰退を招き、住宅地、商業地の不動産価格が連動して下落している。

郊外部の住宅地の衰退は中心市街地と郊外部を結ぶ幹線道路沿道の路線商業施設の需要減少を引き起こしてもいる。郊外を主戦場に低価格帯商品で勝負、怒涛の多店舗展開を果たしてきたヤマダ電機、ユニクロ、しまむらなど専門店チェーンがここにきて都心エリアへの出店にシフトしているのだ。

郊外から都心重視への出店戦略転換の背景には、若者の車離れで買い物の移動距離が短縮化されたことに加え、郊外部がオーバーストア気味で出店余地が乏しくなったことが原因だ。都心部の地価・賃料下落で価格や賃料の交渉力が強い大手チェーンストアが商圏ボリュームが巨大で見込客が多い都心部へ出店するメリットも大きくなっている。

例えば、「紳士服チェーン最大手の青山商事は、主力業態「洋服の青山」の出店戦略を大幅に見直す。これまで郊外幹線道路沿いに約9割の店を展開してきたが、今後は首都圏を除き新店は政令指定都市など大都市の駅前に絞る。自動車の利用者減などに対応し、30年以上続いた事業モデルを転換する。(中略) 同社は1974年、自動車の普及を見込んで郊外の幹線道路沿いに「洋服の青山」の出店を開始。今年4月末で同業態739店の9割超を郊外店が占める。最近は高齢化や若者の嗜好の変化から自動車での来店客が減る傾向が強まっていた」(日本経済新聞)。

さらに流通大手のイオンも巨大ショッピングセンター(SC)を郊外に積極出店してきたが、これまでの拡大路線を転換し、SCの出店ペースを年間10ヶ所程度から3~4ヶ所に減速する反面、軸足を町なかの小型食品スーパー出店に移す。

このような郊外からの商業施設の消失は新規出店の減少や既存店の撤退を招き、事業借地、オーダーリース方式の定期借家など賃料をはじめ元本である地価も下落している。

高齢化時代を反映して郊外、都市部に関わらず起伏に富む地勢や高台の住宅地域の価格下落が目立っている。都市膨張エネルギーが強く住宅需要が旺盛だったころまとまった区画数の住宅団地を供給するには山林など丘陵地を開発して宅地造成したケースが多い。このようなエリアでは一帯が起伏に富んでアップダウンが急な道路状況だったり、高台住宅団地に到達するために坂道を登り、当該団地内もひな段式造成地になっていたりすると高齢居住者の肉体的負担が過重なため買い手の不人気が高まり地価下落しているケースが数多く見られる。

高齢の居住者だけでなく子供が自転車通学をするようになったり、主婦が車でなく自転車や徒歩で買い物をするような場合は日常生活で不満が高まるといわれている。
かつては高台の住宅地は住環境の閑静さや景観をウリにしていたのだが、地縁的選好性と呼ばれるような高いブランド価値がなければ一般に敬遠され、地価下落の一因となっている。

以上、景気循環とは次元を異にする構造的要因で不動産価格が下落している地域を見てきた。下落を引き起こしている主な原因は、膨張、拡散してきた都市が人口減少、高齢化という社会構造の変化や地方自冶体の財政逼迫から維持困難となり、都心回帰やコンパクトシティに凝集されて行かざる得ないというプロセスで起きている。換言すると時代変化に不適合な地域が削減・縮小に向かつて荒療治される過程がマーケットの不動産価格下落という現象となっているともいえる。

日経紙経済教室「コンパクトシティーを考える(下)」で名古屋大学教授林良嗣氏は「少子高齢化により地域の生産力や自治体の財政力が低下し、投資余力がなくなる一方、年金・医療費などの社会保障関連費用は増えていくため、早晩、市街地の規模を見直さざるを得なくなる。インフラは量をなるべく減らして、品質を向上させる。21世紀末に日本の人口が半分になるのなら、市街地は半分以下にしなければならないだろう。」と言及している。

一部の利便性や住環境面の品質が高いものを除くと郊外住宅の時代が終焉を迎えたのは明らかだが、次なる都市の再構築に必要なものは何だろうか。それは単なるサイズの縮小ではないようだ。

かつて日本も不動産バブルを経験し、その後の失われた10年が到来したが、いま米国に起きている住宅バブルを検証すると米国固有の事情が浮かび上がってくる。それは移民増などによる人口増加に支えられた旺盛な実需を背景に米住宅価格は恒常的な上昇トレンドできたが、住宅価格上昇→個人消費拡大という自動化されたメカニズムが米国内で形成されていることだ。

最近の原油価格の高騰による価格上昇分の負担は明らかに家計部門に加わっているにも関わらず米国では、個人消費が堅調であるが、この要因としては、雇用増加と並んで住宅価格の上昇があげられている。

平均的米国家計が持つ最大の資産は実は株ではなく「ホームエクイティ」と呼ばれる借り入れ金額を差し引いた後の純資産としての住宅価値である。これは住宅を担保とした家計の借り入れ余力であり、住宅ローンの返済分が純資産の増加として蓄積されている。例えば30万ドルの住宅ローンがあっても住宅価格が40万ドルなら10万ドルの借り入れができる。住宅価格が上昇すれば借入額も増えるというわけだ。

あらかじめ設定された枠内であればお金を随時出し入れでき、融資枠の半分は実際に引き出されて耐久消費財の消費や別の住宅を購入するための頭金、カード債務の返済に充てられている。

00年ITバブル崩壊、01年9月同時多発テロ、02年ワールドコム不正会計発覚と続いた株安局面でも個人消費が予想外に堅調だったのは、まさにこの仕組みにある。三菱総研8月22日レポートは「住宅価格の上昇による資産効果が、原油高騰のマイナス要因を大きく上回って米国経済を牽引しているといえる。」と指摘している。

見方を変えれば、住宅価格の下落は米国個人消費に深刻な影響を与えるということである。8月12日日本総合研究所レポートでは、「長期金利の1%の上昇は住宅価格を7%下落させ、その結果、個人消費は約0.7%下押しされる。」と指摘しているが、エール大学のロバート・シラー教授等は01年10月発表論文で住宅価格の10%上昇は、個人消費を0.6%押し上げると述べている。つまり住宅価格の行方如何で米国経済が大きく上下振れする可能性が高い。

このような米国固有の「ホームエクイティ」のメカニズムは、米国の住宅価格が長期に亘り上昇してきたため、米国内に自然にビルトインされたともいえる。

日本ではもはや死語となった「右肩上がりの土地神話」が米国では生きている。かつて米国は1980年代に地域限定の住宅ブームを経験した。80年代初頭にテキサス州、半ばに北東部、後半にはカリフォルニア州の住宅価格が高騰した。いずれもその数年後には下落しているが、全米平均の住宅価格は1年単位でみれば上昇トレンドを持続している。連邦住宅金融機関監督局の住宅価格指数(HPI)は統計を取り始めた1975年から直近まで5.6倍に上昇した。

いま米国でおきている住宅価格の高騰は、80年代と違い同時多発的でより広域にわたるのが特徴だ。1~3月期の米住宅価格の平均上昇率は前年同期比12%、ネバダ州3割強、カリフォルニア、ハワイ、フロリダ州の2割強と広域化している。

住宅着工統計でみると7月の新築住宅着工件数は、204.2万戸、前月の204.5万戸に比べて若干減少したものの依然として、高水準が続いている。中古住宅の平均価格も前年比+8.8%上昇している。特に取引の活発度の指標となる売買回転率をみると住居以外の物件購入が増え、2次購入が増加しているが、FRBはこのような現象を投機の表れとみて成り行きを注視している。

投機的表れはプリセールのコンドミニアムの販売などに見て取れる。「100万ドル近い高額物件でも即日完売が続き、完工前に売りぬいて値上がり益を得るのが狙いで、入居までに4回転売されることも珍しくない」(日本経済新聞)。

少子高齢化、人口減少と縮む社会の到来を怖れ、大都市の一部限定エリアで地価が反転したものの、全国的には底なしの地価下落に慣れたわが国と比べると、広域的に住宅価格が上昇する米国の事情はなんとも…であるが、この違いはどこに起因するのであろうか。

米国の住宅価格上昇の主な要因として①移民による人口増加②所得増加③住宅担保融資制度があげられる。本コラムではこのうち人口増加と所得を補完する住宅担保融資制度について述べる。

1990年から2000年までで米国の人口は3,276万人増加し、毎年1%程度増え続けており、人口増の30%を占める移民の増加が米国の人口増加に大きく寄与している。ヒスパニックの持ち家率は90年代に3.4ポイント上昇して45.2%、白人の上昇率より高い。移民増、出生率の高まり、住宅購入世代の増加が住宅価格の堅調を支えている。

「みずほ総研論集」によると、「人口増加率は90年代は13.0%と80年代の9.9%をはるかに凌いでおり、特に移民増加が顕著で現在約3,000万人弱の移民人口が存在するが、その多くは1980年代以降に移住している。こうした移民を含むマイノリティ世帯による住宅取得は、90年代後半の米国全体の持ち家取得の増加のうち約44%を占めている。米国内の州別の住宅価格分布をみると人口増加率と住宅価格は高い相関があることが実証されている。」

米国においては1990年代に低所得層に対する住宅金融制度が整備され、返済方法について規制緩和が行われた。住宅金融商品のなかでも「非伝統的住宅ローン」と呼ばれるIOローンや借り手の所得水準を確認しない簡易審査型ローンは、購買力を上回る不動産の購入も可能にするため住宅価格の高騰を煽る要因ともなっている。

例えばIOローンは当初の10年もしくは15年間は利息だけ支払う新型の住宅ローンであるため、家賃のように利子を払い、元本は売却代金で返済、値上がり益を次の住宅購入に充てるといった利用ができる。

「カリフォルニア州の会社員は、頭金ゼロで住宅購入代金40万ドルを全額借入。5年間は月々利息分の2千ドルだけ支払い、元本の返済が始まる5年後には転売するのが前提だ。同地区の住宅価格は1年で2割弱上昇。このペースなら売却時に10万ドル単位の利益が出ると皮算用する」(日本経済新聞)。

このような非伝統的住宅ローンは、05年に入って住宅ローンのなかで3割強を占めているが、金利上昇、住宅価格下落の局面では月々の支払い負担が一挙に増加し、返済不能になるケースが増えると懸念されている。

日本総研によると全米住宅価格指数は1990年代半ば以降年平均2~8%の上昇トレンドであったが、04年4~6月期以降は前年比+10%強に達しており、これまでの上昇トレンドを乖離した。また住宅融資残高、融資枠が、最近急伸しているため、米国内において住宅価格はバブルとの見方が強まっている。

FRBは8月9日のFOMCでFF目標金利を0.25%引き上げ3.5%にすることを決定した。景気持ち直しが確認されているため、しばらくは小幅利上げスタンスが継続すると予測される。

景気回復の持続からインフレ懸念の浸透で長期金利が上昇し、バブル崩壊を引き起こし、住宅価格の下落が起きると個人消費への影響が甚大で、ひいては米国の国内景気を下振れさせるため、FRBは住宅価格の過熱をソフトランディングさせるべくマイルドな調整をしなければいけない。政策当局の日本のバブル崩壊と失われた10年の失政に多くを学んだというグリーンスパン議長であるが、その教訓を生かした慎重で機動的な政策運営が求められている。