日別アーカイブ: 2020年8月15日

アーバネックス森下賃貸

竣 工 2016年12月
最寄駅 森下駅徒歩5分
総戸数 32戸

住 所 東京都江東区森下3-5-23
概 要 地上14階 地下1階 RC造
駐車場 3台
■内覧予約・空室確認など、是非お気軽にお問い
合わせくださいませ。迅速にご対応いたします。

■物件名フリガナ
アーバネックスモリシタ

■近隣周辺施設情報
ライフ菊川店まで約410m
マルエツ菊川店まで約470m
アコレ江東常盤店まで約630m
ローソンストア100江東森下三丁目店まで約220m
ファミリーマート菊川一丁目店まで約250m
どらっぐぱぱす菊川店まで約490m
くすりの福太郎森下駅前店まで約400m
森下町郵便局まで約430m
江東区立深川小学校まで約230m
森下保育園まで約80m
森下駅前クリニックまで約450m
六間堀児童遊園まで約600m

物件名 アーバネックス森下賃貸
所在地 東京都江東区森下3-5-23
最寄駅 都営大江戸線「森下駅」徒歩5分
物件特徴 REIT系ブランドマンション、デザイナーズ
構造規模 地上9階 RC造
総戸数 32戸 築年月 2016年12月

■駐車場   3台
■バイク置場 8台
■駐輪場   32台/月額300円
―――――――
■設 計   株式会社朝倉崇夫都市建築設計事務所
■施 工   風越建設株式会社
■管理形式  巡回管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   不可
■楽 器   不可
■保証会社  利用必須
―――――――
■間取り
□1DK(25.77㎡~26.26㎡)

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。
※カード決済希望時の決済手数料は、引越代還元金より相殺となります。

「不動産各社は、今春から新築ビルや駅近大型ビルの新規募集賃料を引き上げたが、ここにきて既に入居している企業が契約更新時に結ぶ賃料も5~10%ほど上昇し始めたところもでてきている。特に東京都心の千代田区、港区などの大型ビルで更新時の契約賃料が上がっている」(日経産業新聞)。

東京都心では03年の大量ビル供給による需給ギャップが04年秋にほぼ解消したといわれている。IT関連企業が牽引したITバブル期に比べ、製造業やサービス業でも拠点の集約化に伴う移転、増床意欲が高く、オフィス市場拡大の裾野が広がっている。オフィスワーカーとなる社員の採用計画を拡大する企業が増え、オフィス需要の拡大要因になると見る向きもある。オフィスビル仲介のビルディング企画による企業のオフィス移転理由調査ではオフィス拡張を前提にした「スペースの見直し」が経費削減を上回った。移転後に満足した点は「ビルグレード」、「交通の利便性」を挙げる声が多かった。最近のオフィスビルを取り巻く環境変化が反映されているようだ。

生駒データサービスシステム オフィスレポート(9月調査)によると主要5区における05年の新規供給は134,613坪、06年は一挙に増えて200,178坪と予想されている。06年は、名古屋市および札幌市で大規模ビルの竣工が予定されているが、その他の都市では供給予定が極めて少なくなっており、他都市の合計供給面積は約5.5万坪、全体の2割弱と、東京23区への供給の一極集中が鮮明な年となる予定である。

地方の中心都市でもオフィス空室率の改善傾向が目立ち始めた。福岡市では8月に3年7ヶ月ぶり、札幌市では2年9ヶ月ぶりに空室率が10%を割り込んだ。全国的傾向として景気回復とリストラの一段落でオフィス需要が拡大している反面、バブル崩壊後、新規供給量が絞られていたため、需給バランスが改善されたためである。地方都市においても景気回復傾向を背景に企業のオフィスへの投資意欲が高まってきており、需要増が見込めるエリアが出てきている。

東京都心部では大型、好立地の優良物件は完成時点で満室となるケースが目立っているが、特に、築浅の優良ビルの空室在庫は希少となってきている。このようなオフィス市況の好転を背景にして、優良大型ビルは、新規賃料だけでなく、継続賃料も引き上げを要請できる環境になりつつある。今後、規模が大きく、ITなど最新設備が揃った優良ビルの需給はタイトになってくるという読みで強気に転じているからだ。

ここにきての都心での賃貸オフィスビルの経営環境の好転と、優良物件の品薄で物件取得難に悩むJ-REITは、完成ビルや既存ビルだけでなく、デベロッパーに設計提案、開発から関与する「オーダーメイド型」の物件取得を進めている。J-REIT最大手の日本ビルファンド投資法人(NBF)はデベロッパーモリモトが03年東京・築地に土地取得後、ビル完成前に取得契約と建物設計を提案した。全フロア天井高2.7m、フロア1平米当たり電気容量60VA、各フロア床下は幅6cmのOA関連配線専用空間確保。05年3月ビル引渡し時でテナント内定率100%を実現した。

一方、都心周辺の中小型や老朽ビルは依然として苦戦している。特に老朽ビルはテナントニーズに応えるため改修など付加価値の向上に差し迫られている。IT化に対応できるように床下にケーブルを配置し、フロアで一括管理していた空調を各室ごとの個別空調にしたりするなどの改修が資金力のある法人オーナーを中心に進められているが、姉歯設計による耐震強度偽装事件以後、耐震補強など安全対策への関心も高まっている。いままで安全と賃料の相関は低かったが、耐震補強を施して不動産ファンドが用いるPML値を取得し、公表すれば、駅前など立地条件が良い既存ビルでは賃料上昇も期待できるように環境が変化してきている。

しかし、これらの改修工事は個人など中小ビルオーナーに取って負担が大きいため、投資資金を負担できないオーナーが不動産ファンドに売る事例が目立ち始めている。不動産ファンドもバリューアップ型は、物件取得後、改修工事やリノベーション、コンバージョンを行い物件価値を高めて稼働率、賃料を上昇させ比較的短期で売却し、高いIRR(内部収益率)の達成を目標としており、費用対効果が高い既存ビルを物色している。

例えば東京千代田の神田中央ビルは不動産投資を手がける大和證券SMBC。プリンシパル・インベストメンツが04年4月取得し、コクヨエンジニアリング&テクノロジー(KET)がリニューアル工事を担当。グリッド工法で天井高を240cmから251cmと11cm高くし、トイレも商業施設風に改修した結果、賃料は周辺相場を約12%上回った。

先月放映された「日経スペシャルガイヤの夜明け」は、企業がオフィスワーカーの労働意欲を高め、生産性を引き上げるために従来まで経費扱いの域を抜けてなかったオフィスを戦略投資の対象として考え始めた変化を取材していた。当番組で集中的に取り上げられた企業の「フリーアドレスオフィス」導入の動きは、先に当サイトのコラムで書いたが、その後、企業の導入例も急速に増え、ITをめぐる技術環境も変化しているため、再度、本コラムで取り上げる。

フリーアドレスオフィスでは社員専用の固定席を設けず、空いている席を自由に使うため、部門間の仕切りがなく、開放的な空間が広がり、社内全員の仕事をする姿がシースルーに見える。お互いの仕事振りが見えることで社員一人一人の刺激になり、他部門との交流も進むため社内のコラボレーションが活性化する。一見ランダムに着席するが、社員は、書類や本を持たず、必要なものは割り振られた小型ロッカーに入れておき、ワイヤレスの無線LAN環境を活用し、携帯可能なノートパソコン、携帯電話やワイヤレスIP電話端末で空いた席を自由に移動し仕事をする。会議も必要な時に待たずにテレビ会議やIPテレビ会議を使う。

社外から社内システムへの安全なリモートアクセス環境も構築し、外出先でもオフィスと同等レベルで業務に携われるユビキタスオフィス環境も実現している。特に営業部門は、外で殆ど営業活動をするため日中のオフィスの在席率は20~30%であり、フリーアドレスオフィスを導入することにより、デスクスペースを縮小して不動産の固定的スペースを削減できコスト低下のメリットが多い。

国内の人口減少、高齢化の波は地方都市において地方経済の疲弊、恒常的に続く地価下落を招いている。一方、大都市圏は人口動態の負の影響が地方ほど先鋭化しておらず、国内の人口問題に起因する地価下落はまだ将来のことと楽観視されているように思える。

しかし、東京、大阪、名古屋など大都市圏でも高齢者増加率が今後は急速に拡大し、人口動態に起因する地価下落が起きる可能性が高い。いや人口動態による不動産市場の縮小は大都市圏ですでにその兆候が見えており、今後、大都市部で顕著に進む高齢化増加率がもたらす負の影響度の大きさは地方圏を超える可能性が高い。

人口減少・高齢化が国内の地価の下振れ要因であることは誰でも容易に想像がつく。我が国の人口動態がもたらしている経済の停滞や地価下落の実態を詳細にデータ(後述)で見ていくと、影響度が想像を超え、その深刻さに慄然とし、この国の先行きを考えると暗澹となるのである。日本の人口問題は人口の減少もそうだがそれよりもその構成比の変化が特徴的で経済成長や不動産市場動向を考える上ではこの点が重要ファクターとなる。

他の先進国と比べた場合の我が国の人口動態の特性は生産年齢人口の減少、老年人口の増加の顕著さだ。その結果、経済成長率の低下、国内企業の海外移転、不動産市場の縮小を招いている。

国内総人口は2010年で1億2,654万人でピークアウト。以後は減少し、2070年には1億人を下回る。生産年齢人口(15歳~64歳)は1950年4,905万人から1995年に約8,660万人でピークアウトし、2010年には8,093万人、2070年には5,084万人にまで減少する。一方、65歳以上の老齢人口は1950年407万人であったが、以後増加し、高齢社会の分岐点である7%を1970年に超え、2005年に20.2%と僅か35年で間で約3倍近い水準となった。2010年には2,871万人となり1950年の約7倍に達した。その後も老齢人口は増加し、2045年に3,895万に達する。これほど急速な高齢化は世界にも例がなく、欧米の先進国と比較してもその異例さは際立っている(松谷明彦著 人口減少時代の大都市経済)。

人口動態と経済成長率の関係は「人口ボーナス」と「人口オーナス」という概念から解明できる。人口ボーナスは働き手が養われる人々の何倍いるかという考え方である。国の生産年齢人口(15歳から64歳まで)を従属人口(4歳以下と65歳以上)で割って算出する。指数が「2」を超える期間がボーナス期で、同時期には経済成長が加速する。人口が増えれば中間層を核とする消費拡大の好循環のメカニズムが生まれるからだ。経済産業研究所の試算では日本の高度経済成長期(60~80年代)の経済成長の2割から4割が労働力の増加、つまり人口要因で説明できるとしている。

一方、人口に占める働く人の割合が低下する現象を「人口オーナス(重荷)」という。少子高齢化が進んでいる日本はまさにこれだ。高齢層が増加し、労働人口比率が低下しており、より少ない人数が働いて経済社会を支えなければならない。次に 「人口オーナス(重荷)」が経済成長率を押し下げるメカニズムを供給と需要面から説明しよう。

現存の経済構造のもとで資本や労働が最大限に利用された場合に達成できると考えられる供給面からみた経済活動水準を潜在成長率という。潜在成長率は資本や労働の投入と技術進歩など全要素生産性によって規定される。国内で進行している生産年齢人口の減少は、労働投入量の減少となるため、当然に潜在成長率を低下させる。つまり生産年齢人口の減少が中長期で我が国の経済の供給側面を押し下げることになる。もっとも労働人口の増加率以外に潜在成長率を決定する変数には労働生産性の上昇率があり、労働生産性上昇が労働人口減少を上回れば潜在成長率は低下しないことになる。生産性の上昇要因は技術進歩、既存の技術の下での効率性の向上や費用の節約であるが、一般に高齢化による若年労働力の減少は経済全体の創造性や積極性を低下させ、生産性を低下させるといわれている。

次に経済成長率を需要側面から見てみよう。「人口オーナスは他の条件を一定とすれば、確実に日本の1人あたり所得を低下させる。働く人だけが所得を生み出せるのだから、勤労者1人あたりの所得(生産量)が同じならば、人口オーナスが進むと日本全体の1人あたり平均所得は低下する」(小峰隆夫法政大教授)。

つまり女性、高齢者の労働参加率を高め、1人あたりの生産性を引き上げていくなど有効な政策が打たれなければ経済学上では日本全体の1人あたり平均所得は低下し、総需要量は減少する。また内閣府の「年次経済財政報告」が指摘するように、生産年齢人口の増加予想が期待成長率を高め、それを受けて企業が設備投資需要を拡大し、家計も将来の所得増加を予想することにより、消費や住宅需要が拡大させるというメカニズムが働く。生産年齢人口の減少は、そのメカニズムが逆方向へ作動し、需要を抑制することになる。

我が国の人口動態、特に生産年齢人口減少が国内の経済成長率を需給両面から押し下げることが解った。このような国内人口動態 の特性を踏まえ、中長期スパンで今後の日本の経済成長率を予測するとどうなるだろうか。シンクタンクの中長期経済成長率予測も低位成長率となっている。

野村金融経済研究所は、「労働力の核となる15~64歳人口の減少を主因に、供給側から計測した今後10年間の日本の潜在成長率は、既に0%近くにまで低下している可能性がある。それでも、現状では需給ギャップが大きいために、しばらくはそれよりも高めの実質成長率が続くだろう。しかし、いずれは需要が供給力に接近し、潜在成長率に見合った成長を余儀なくされることになろう。様々な仮定の下ではあるが、2010年代の末にも、実質成長率が長期的にマイナスの領域に突入する「マイナス成長」時代の到来を意識しなければならなくなる可能性がある」と指摘する。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは「2010年代前半(2011~2015年度)は、東日本大震災によるマイナス成長から抜け出した後、2012年度~2013年度までは1%台半ばから後半の成長率を達成するが、2014年度には消費税の引き上げによって成長率が大幅に鈍化するため、実質GDP成長率の平均値は+0.8%にとどまろう。2010年代後半(2016~2020年度)は、人口減少が進むことに加え、消費税の引き上げが3回にわたって実施されることもあり、実質GDP成長率の平均値は+0.5%にまで鈍化しよう」との認識だ。

生産年齢人口の減少は長期に亘り不動産市場を蝕み、特に住宅市場を長期的に低下させ続けている。総務省の「住宅・土地統計調査」によると世帯主が30~44歳で持ち家比率が顕著に上がることが確認されている。確かにマンション・戸建分譲などの購入層の半分程度をこの年齢層が占めている。今後はこの年齢層から「団塊ジュニア」世代が抜けて行き、加えて購入層となる若者人口は減少していく一方となる。

日本は先進国のなかでも20~30歳代の若者人口動向は極めて深刻な減少期を迎える。「20~30歳代の若者人口は、日本では2005年からの45年間で▲51.6%と半減する。それに対してフランスではわずか▲5.0%に過ぎず、イギリスでは逆に+1.5%の増加であり、アメリカではなんと+30.5%も増加すると予測されている」(松谷明彦著 人口減少時代の大都市経済)。

生産年齢人口の減少と相まった国内不動産市場の縮小、地価下落は長期データで明確に観測される。例えば大和総研の11年12月29日調査レポートは人口減少や高齢化の進行が地価にはマイナスの影響を与えることを長期データや回帰分析で指摘している。以下引用すると、

長期データを用いて人口動態と地価や住宅着工戸数との長期的な関係を見ると、住宅着工戸数は戦後増加していき、1973年に190.7万戸でピークを迎える。その後1983年に113万戸まで減少するが、その後再び増加し1990年に170.7万戸まで達する。その後は増減が錯綜するものの、全般的には減少して推移している。直近の2010年では81.3万戸であった。

従属人口指数の推移と住宅着工戸数を重ね合わせると従属人口指数の2つのボトムと住宅着工戸数のピークがほぼ重なってるように見える。一方、両変数を時系列でプロットすると従属人口指数が戦後低下していく一方で、住宅着工戸数が増加している様子が窺える。住宅着工件数の最初のピークの1973年から次のピークの1990年まで、両者の関係はなくなったように見えたが、1990年以降2010年までは、再び傾向線に沿って推移している様子も窺えよう。

住宅着工戸数を被説明変数とする回帰分析結果でも従属人口指数は負で有意となり、決定係数も低くはない。また、都道府県別の住宅着工戸数(対数値)を被説明変数とした回帰分析を行ったところ、「人口増加率(県別、1期前)」は正で有意で、「65歳以上人口比率(県別、1期前)」は負で有意となっている。

これらの結果から、生産年齢人口の減少・高齢化の進行といった人口動態は住宅着工件数と高い相関性を示し、長期にわたる住宅着工の減少を招いている実態が分る。

さらに同レポートによると不動産市場の縮小は土地取引について売買による所有権の移転登記の件数の長期低落傾向で鮮明になっている。「1980年に全国では260万件の取引があったが、その後減少。バブルの時期(1986年~1990年)に取引件数は増加するものの、その後は全般的に減少傾向が明瞭となっている。その傾向は大都市圏、地方圏でも同様であり、特にここ数年は減少が続いており、2010年中の全国の土地取引件数は115万件と1980年の件数の44%程度しかない」。

また西村清彦日銀副総裁は日経紙特集記事で、生産人口比の上昇と下落は、バブルの生成・崩壊と時期的に符合すると指摘する。日本での生産人口比のピークは1990年ころで、ちょうどこの時が資産、特に土地バブルのピークと一致する。05年ころに生産人口比のピークを迎えた米国では、同年冬が実質住宅価格のピークで、それ以後の急落はサブプライム問題をもたらした。欧州周縁国のアイルランドでは生産人口比のピークは05年ころで、実質住宅価格のピークは06年冬である。スペインも生産人口比のピークは05年ころで、住宅価格のピークは07年秋だ。現在危機にあるギリシャも繁栄を謳歌したのは生産人口比が高原状態になる00年ころからだ。

さらに15年には日本国内の世帯数も5,045万世帯でピークアウトして減少に転じるため、住宅余剰に拍車がかかり住宅地地価の下落要因となるだろう。総務省の「住宅・土地統計調査」では08年に現存する住宅戸数は5,759万戸、一方、世帯数は4,989万戸と既存住宅ストックが世帯数を超えている。すでに1968年時点で総住宅数が世帯数を上回っていた。以後、その格差が拡大している。空き家数も08年に757万戸で1973年と比べ4.4倍に拡大するなど一貫して増加している。08年の空き家率は実に13.1%に達する。高齢化率が高い島根、和歌山、鹿児島、高知、山口などで自家用の空き家率が高いのが特徴だ。

また我が国の人口動態はオフィス・店舗市場にも中長期で負の影響を及ぼす。生産年齢人口減少は直接的にオフィス市場を下押しする。オフィスの需要スペースを決定するのはオフィスワーカーの動向だからだ。オフィス需要予測をするときの要件式は、

足元でみると東京都心5区のオフィス空室率悪化が止まらない。三鬼商事による11年12月末時点の東京都心5区のオフィス空室率は9.01%だった。前月比で0.11ポイント上昇し、3ヶ月連続で悪化した。11年、12年は首都圏でオフィスビルの大量供給があるという短期的な需給要因もあるが、日本の製造業が少子高齢化が進む国内から海外へ事業拠点をシフトしているため、オフィス需要が鈍化していく兆しと捉える見方もある。東京都心部は大阪、名古屋など他大都市に比べグローバルスケールで海外事業展開を進める大手企業のオフィスの集積度が高いため、このような懸念が指摘されている。

近年、製造業・非製造業は、少子高齢化を背景とした内需の伸び悩みなどが影響し新興国など海外の生産・販売拠点への投資を優先させる動きが一層強まっている。人口減少・高齢化と相まった低経済成長が続く国内は期待収益率が低く、人口ボーナス期(中国はやがて人口オーナスに入るが)を迎え需要が旺盛で高成長が見込まれる新興国へ企業が事業拠点シフトするのは当然の動きといえる。

我が国の人口動態は個人消費の低下を招き、店舗等の不動産市場も下振れさせている。個人消費は人口増加率の低下などを背景に長期的にみて伸びは鈍化してきた。特に、1990年代後半から雇用者報酬等の家計の所得が減少している。2010年代は数度にわたる消費税増税が予定されており、家計の可処分所得はさらに減少する。国内の商業店舗はすでにオーバーストア状態にあることからさらに市場は低迷するだろう。

東京や名古屋、福岡など一部の大都市では1990年初頭のバブル崩壊後は過熱し過ぎたエリアで地方都市を超える地価下落も起きた。以降、国内全域に及ぶ長期の地価下落が続く。05年から円安とカネ余りで国内外のファンドやJ-REITなどによるミニバブルと囃される地価上昇が起き、08年のリーマンショックでバブルが弾けた。大都市の一部エリアで繰り広げられたこのプロセスは地方で恒常的に続いている人口動態に起因する構造的地価下落トレンドとは異質のものだった。

しかし、今後は大都市部も人口動態の負の影響が強まる。その主な理由は大都市部では、高度成長期に地方から大量に流入した世代がこれから一斉に高齢期に入るからだ。松谷明彦著「人口減少時代の大都市経済」は大都市圏で加速する高齢人口増加率が地方圏より今後はより厳しい状況に追い込むと指摘する。

国立社会保障・人口問題研究所の下表の推計では30年後の地域社会の人口は、高齢人口割合は地方圏で高いが、高齢人口の増加率は大都市圏で際立って高い。特に東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)では、高齢者が75%も増加する。

高齢化率そのものは下表でいえば地方の島根県が高いが、高齢化速度は大都市部の方が断然速い。松谷明彦氏は社会経済にとって「高齢化率の高さ」よりもその「変化の大きさ」が重要と指摘する。つまりその高齢化の変化量と速度に社会システム変化が追いつかないので、今後の人口減少社会で、より厳しい経済環境に置かれるのは大都市圏としている。

高齢化の加速は生産年齢人口を相対的に減少させ、財政状況の悪化で低福祉・高負担に傾斜していくため、行政サービスも悪化し、大都市の生活水準が低下する。高齢化がもたらす地価への様々な負の影響はここまで書いてきた通りで、地価下落要因となる。

プライマル菊川賃貸

竣 工 2020年2月
最寄駅 菊川駅徒歩7分
総戸数 18戸

住 所 東京都墨田区立川4-14-9
概 要 地上7階 RC造
駐車場 ―
■内覧予約・空室確認など、是非お気軽にお問い
合わせくださいませ。迅速にご対応いたします。

■フリーレント1ヶ月キャンペーン

■物件名フリガナ
プライマルキクカワ

■近隣周辺施設情報
オーケー住吉店まで約410m
肉のハナマサ住吉店まで約350m
セブンイレブン墨田江東橋5丁目店まで約230m
ファミリーマート立川四丁目店まで約270m
くすりの福太郎菊川店まで約370m
マルイ錦糸町店まで約870m
アルカキットまで約1010m
オリナスまで約1600m
オオゼキ菊川店まで約310m
鈴福食品まで約620m

物件名 プライマル菊川賃貸
所在地 東京都墨田区立川4-14-9
最寄駅 都営新宿線「菊川駅」徒歩7分
物件特徴 REIT系ブランドマンション、デザイナーズ
構造規模 地上7階 RC造
総戸数 18戸 築年月 2020年2月

■駐車場   ―
■バイク置場 有/月額3,000円
■駐輪場   有/月額200円
―――――――
■設 計   ―
■施 工   ―
■管理形式  巡回管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   不可
■楽 器   不可
■保証会社  利用必須
―――――――
■間取り
□1R(25.28㎡~31.72㎡)

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。
※カード決済希望時の決済手数料は、引越代還元金より相殺となります。

東京を除く、主要地方都市の空室率は2ケタ台。漸く底入れの兆しも見えてきた東京と違い、いつになったら空室や賃料の調整が終わるのか、需要の落ち込みが深刻なだけに不透明だ。このような背景でオフィスビルオーナーの空室対策が模索されている。本コラムでは、最近、ビル内の空室等の有効活用として注目を集めている「貸し会議室」について書いてみよう。

貸し会議室は空室対策としてだけでなく、売却予定物件を暫定的に活用して売却期間でリターンを上げたり、自社で使用していない時間帯の会議室・教室等を有効活用する方策などで利用されている。

オフィスビルの空室対策等として貸し会議室は、近年になって大手不動産をはじめ、ビルオーナーに積極的に活用される事例が増えている。ITを絡めた付帯業務の充実などで付加価値を高めたり、広域的に貸し会議室をエンドユーザーに提供したり、スケールメリットを生かしてコストダウンを図るなどで高い成果を上げているケースも多い。

住友不動産は大手不動産のなかでも貸し会議室ビジネスへの取り組みは積極的だ。不況下の各企業の業績悪化で、リストラ策の一環としてオフィス床の無駄節減が加速しており、会議室などのスペースをなくし、必要なときだけレンタルする動きが強まっている。

同社は、この分野の今後の需要拡大に期待を高めており、同社が開発するオフィスビルなどにフロアを確保、拠点数を4年間で現在の約2倍の27とし、年間売上高を3倍の100億円に拡大する計画だ。

「08年に専門会社を設立、自社の開発物件で会議室用などに貸しフロア約14,000㎡を確保、事業を展開してきた。平均稼働率80%を維持、今後も需要拡大が見込めるため運用フロア面積も3倍強の46,000㎡に増やす」(日本経済新聞)。

そして08年4月に住友不動産株式会社より分離独立した住友不動産ベルサール(株)は、都心三区を中心に16ヶ所21会場(イベントホール:11会場、貸し会議室:10会場)を管理運営しており、一社単独で管理運営する物件の床面積は業界トップクラスを誇っている。

新宿中央公園に隣接する「新宿セントラルパークシティ」内に、300坪を超える大型イベントホール「ベルサール新宿」を3月1日よりオープン。1フロア302坪の大型イベントホールで、セミナー使用時は最大でスクール形式756名、シアター形式1,320名まで収容可能。天井高6m(一部5.4m)の整形無柱空間で、床荷重は大型車両などの展示も可能な1平方メートル当たり1t。使用料金は、基本(8時間)プランで94万5,000円、延長30分ごとに6万3,000円。なお、1フロアを分割した使用も可能となっている。

森トラストは、JR東京駅に隣接する複合施設「丸の内トラストシティ」に貸し会議室を設置し、09年12月1日開業した。立地の良さを生かし、国際会議や採用説明会などに利用してもらう。同社は仙台市で開発中の「仙台トラストシティ」にも貸し会議室を10年8月に設置予定。自前で会議室を持たないテナントの満足度を高め、オフィス市況の低迷に対応。丸の内トラストシティの施設運営は、ラフォーレT&Sに委託する。

「丸の内トラストシティの貸し会議室は大小10室を用意し、合計面積は約880平方メートル。1部屋あたりの面積は最大約200平方メートルで、室内に机とイスを置く場合、約140人を収容できる。最も会議などが多い午後1~5時の時間帯に100平方メートルの部屋を借りる場合、利用料金は13万9,000円。施設に入居するテナントには、一般よりも安く利用できるようにする。森トラストが本格的な貸し会議室を設置するのは今回が初めてになる」(日経産業新聞)。

貸し会議室事業を全国展開する注目企業がTKPだ。05年に設立後、僅か数年で札幌、仙台、福岡など全国の大都市圏で主要駅から5分以内の立地で収容人員4人の小会議室から390人を収容できる大ホールまで貸し会議室約500室を運営するに至った。

同社のビジネスモデルの特徴は、物件オーナーとの契約・運営受託方式の形態や貸し会議室事業の付帯業務の拡充・充実に見られる。「物件オーナーとの契約は、マスターリース方式と運営受託方式の2つに分けられ、テナントニーズが高い物件は固定費項目が高いマスターリース方式とし、エンドテナントニーズの需要が弱いと判断される物件は、ベース賃料を低くしたうえで売上連動とするなど変動比率を高く設定するケースが多い」(月刊プロパティマネジメント)。

貸会議室事業の付帯業務では、インターネット回線からテレビ会議システムの構築、ケータリング備品手配、研修プログラム用意、講師や宿泊施設の手配まで幅広く行っている。

また、同社は、「特定の顧客を対象に、会議室の予約の手間を省くための専用サイトを設けた。会議室の予約を中核にして、一括手配で引き受けることでコストを削減するもので、第一弾として東京海上日動火災保険の専用サイトを設けた。東京海上はグループ関連企業をはじめとして、セミナーや会議などでTKPの会議室を頻繁に利用している。専用サイトの開設により、全国の適切な会場を一括して手配できるうえに、費用の請求も一本化が可能になるなど管理部門の業務が大幅に軽減される」(フジサンケイビジネスアイ)。

貸し会議室は、ビルオーナーの空室対策等で導入されているが、一方、テナント側にしても、ここにきての不況とデフレで企業業績が低下しているところから、会議室を恒常的に賃貸・保有するより、必要に応じてレンタルするという方向が強くなっているという背景がある。

貸し会議室自体は、昔からある業態で目新しいものではないが、折からの不況とオフィスビルの空室の増加で注目されてきたものである。いわばこのビジネスモデルには需給の双方向から追い風が吹いているわけだ。

大手不動産や専業の運営会社では、前に書いたようにカバーするエリアの広域化や貸し会議室の多様なメニュー構成・量でスケールメリットを出したり、ウェブサイトからの申し込みなど情報通信技術を活用してワンストップサービス的な付帯業務の付加価値を高めているが、中小ビルなどが単体での貸し会議室ビジネスを展開する場合、どのような事業構造になるのだろうか、概観してみよう。

オフィスに対する企業の意識が変わってきている。産業構造が付加価値型の知的産業へシフトしているため、オフィスを単なる容れ物でなく知的創造物を生産する空間投資というような捉え方をする企業が増えている。

企業が知的生産空間の投資という視点でオフィスを考える場合、オフィスに求められる条件は、近年になって大きく様変わりしている。まず大企業を中心に1フロアの面積が大きな大規模オフィスビルを選好する傾向が強い。分散した企業機能を集約するため、1フロアが400坪以上の無柱一体空間のオフィスビルの人気が高いからだ。

六本木ヒルズ森タワーに入居する楽天の三木谷社長は「入居するビルは1フロアがものすごく大きいことがポイント、フロアを1周すれば社内を見渡せるし、ドーンと大きなオフィスで、できるだけ壁をなくしてやっていることで企業の一体感がでる。会議室も各部門ごとに配置していたのを1ヶ所に集めて効率も上がる」と語る(日経産業新聞)。

ちなみに森タワーの1フロアのオフィス面積は4,500㎡、約400人のオフィスワーカーが一同に働くことが可能だ。

企業サイドでは、オフィスワーカーの視点を中心にした満足度や、意思疎通、サポート施設の充実といった要因をオフィス選定で重視するようになってきているが、そのような要件を備えるAクラスオフィスビルであるためには、一般に以下のようなスペックが求められる。

急速に技術革新が進み、ビル内で多くの時間にわたり執務するワーカーの関心が特に高い空調について言及する。

オフィスの空調は、これまでの建物全館を空調するセントラル方式からフロア単位での空調となる各階分散方式へシフトしており、このことは取りも直さず24時間執務可能な態勢を提供できるオフィス空間が求められている証でもある。

新築ビルのみならず既存ビルの競争力強化をするためのリニューアル工事でも重視されているのが空調設備の改修、取替えで、リニューアル時にも空調機能を停止させずにテナント居ながら工事ができる技術も登場している。

従来、制御機器メーカーごとに信号が異なり、設備の制御、監視に制御機器メーカーの規格に合った機器を細かい部分まで選択しなければならず調達のコストダウンの障害となっていたが、大型オフィスビルを中心に空調機器制御にオープンシステムが導入されたため、効率性と調達コストが改善されている。

オープンシステムの実現で、入居者は残業する際に、インターネットを通じて空調や証明の時間延長を申し込むことができ、わざわざ管理室に電話して、制御盤を操作してもらう必要がないし、監視・制御にかかる調達コストダウンが可能となった。

オフィスビルにおけるテナント苦情は、空調と清掃に集中すると言われており、快適な空調をサポートするのは、テナント満足度を高める戦略上で欠かせない。しかし体感温度は個人差があり、ワーカーの年齢や性別、営業職が外回りで帰ってきたときの体感温度と、ビル内で長時間執務する事務職では快適温度の感じ方は相当に違う。この違いを解決するために、最近、新築やリニューアルでフリーアクセスの2重床であるOAフロアーから立ち上がる床吹き出し空調のコントロールを自席に向けて3段階に調整可能な方式が採用されるケースが増えている。

一般に使用されているOAフロアは、例えば300×300単位で着脱可能なので吹き出し口のレイアウト変更が容易で、足元吹き出し口を50cm単位で設定できるため執務環境変化に対応できる。従来の天井吹き出しに比べ無駄な室内空間の温度調整をすることがなく、空間対応の局所性に優るのでワーカーの体感温度の違いによる苦情も一定レベルで解決できるようだ。

既存ビルの空調リニューアルの場合、15~20年周期といわれている。ゼネコンや空調会社により改修計画が立ち上げられ、空調診断が行われる。

診断結果に基づきリニューアル案が提示され、ワーカー意見を反映するため複数のテナント社員で構成される「リニューアル委員会」が組織されるのが近年の傾向だ。リニューアル工事中にダクト廃材など廃棄物を減らすプレス装置やリニューアル後に空調の快適性を維持するためのメンテナンス体制も必要データの電子管理化で機器台帳、履歴台帳を高速で検索し、機器や故障ごとに不具合の原因、対策、寿命予測を行えるように進化している。

プレサジオ賃貸

竣 工 2020年8月
最寄駅 麻布十番駅徒歩2分
総戸数 16戸

住 所 東京都港区麻布十番2-4-8
概 要 地上9階 RC造
駐車場 ―
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■物件名フリガナ
presagio

■近隣周辺施設情報
成城石井麻布十番店まで約300m
ビオセボン麻布十番店まで約370m
ローソン港一の橋店まで約160m
ドラッグストアスマイル麻布店まで約190m
叙々苑麻布十番店まで約130m
麻布十番郵便局まで約300m
ダイエー麻布十番店まで約80m
ナニワヤまで約460m
セブンイレブン港区麻布十番2丁目店まで約170m
ファミリーマート麻布十番店まで約430m
マツモトキヨシ麻布十番店まで約130m
TSUTAYA TOKYO ROPPONGIまで約490m

物件名 プレサジオ賃貸
所在地 東京都港区麻布十番2-4-8
最寄駅 都営大江戸線「麻布十番駅」徒歩2分
物件特徴 REIT系ブランドマンション、デザイナーズ
構造規模 地上9階 RC造
総戸数 16戸 築年月 2020年8月

■駐車場   ―
■バイク置場 ―
■駐輪場   ―
―――――――
■設 計   ―
■施 工   ―
■管理形式  巡回管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   不可
■楽 器   不可
■保証会社  利用必須
―――――――
■間取り
□1LDK(40.16㎡~43.98㎡)

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。
※カード決済希望時の決済手数料は、引越代還元金より相殺となります。

賃貸されている不動産は、通常、貸借対照表上の(1)「有形固定資産」の土地、建物、構築物及び建設仮勘定、(2)「無形固定資産」の借地権等の科目に含まれている。

不動産の中には、物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理に使用されている部分と賃貸等不動産として使用されている部分で構成され不動産があるが、賃貸等不動産として使用される部分については、賃貸等不動産に含める必要がある。ただし、当該割合が低い場合には、賃貸等不動産に含めないことができる。

当該時価開示にいう「時価」とは、公正な評価額をいい、通常は観察可能な市場価格に基づく価格で、市場価格が観察できないときは合理的に算定された価額をいう。この算定は自社による合理的見積もり又は不動産鑑定士による鑑定評価等として行う。契約により取り決められた一定の売却予定価額がある場合には、合理的に算定された価額として当該売却予定価額を用いることとされている。

開示対象となる賃貸等不動産のうち重要性が乏しいものについては、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額等(公示価格、地価調査価格、相続税路線価、固定資産評価額等)を時価とみなすことができる。重要性の判断は賃貸等不動産の貸借対照表日における時価を基礎とした金額と当該時価を基礎とした総資産の金額の比較で行う。

三菱地所と三井不動産が4月30日に10年3月期決算を発表した。その中の注記で、賃貸等不動産の時価が初めて発表された。つまり、新会計ルール「賃貸等不動産の時価開示」に基づいて、保有不動産の含み損益が開示されたわけで、含み益は三菱地所の2兆558億円に対し、三井不動産は7,539億円だった。

余談だが三井不動産は、ららぽーとやアウトレットモールの一部を借地の上に建築しているが、当該物件の将来の撤去費用を期間配分した資産除去債務計上が10年4月以降の事業年度から適用が始まる。これも日本基準と国際財務報告基準(IFRS)とのコンバージェンス(収斂)の一環として設定されたものだ。

現時の不動産市況は、マンション販売は回復基調にあるが、オフィス市場では稼働率・賃料低下が依然として続く厳しい状況で、不動産各社の利益を下押している。さらに不動産価格が高騰した06~07年に不動産を取得して投資した各社について以後の地価下落で発生した保有不動産の評価損が如何ほどかが注目されていた。

今回の時価開示で大手不動産のなかには、なお多くの含み益があることが解った。菱地所や三井不以外でも日経ヴェリタス112号によると、NTTの遊休地を簿価で引き継ぎ、アーバネット大手町ビルなど都心に優良物件を持つNTT都市開発は、野村証券の福島大輔シニアリサーチオフィサーが同社の含み益(税引き前)を約3,000億円と推定。また不動産業界以外の企業でもJR東日本は含み益8,819億円、三菱倉庫は含み益1,849億円となるなど、古くからの土地持ち企業である鉄道や倉庫では時価開示で含み益が発生している。

株式投資家は株価の割安割高を判定する指標としてPBR(株価純資産倍率=株価÷1株当たり純資産額)を使う。三菱地所と三井不の今回の時価注記で見ると、「三菱地所の簿価ベースのPBRは2.0倍で三井不の1.53倍に比べ割高に見えるが、税引き後の含み益を加算した純資産で計算した修正PBRを計算すると地所は0.98倍に下がり、三井不(1.06倍)を下回る」(日経ヴェリタス112号)。

なお、鉄道・倉庫等各社の含み益、修正PBRは次のとおりである。

不動産が企業の財務諸表で占めるウエイトは一般に高い。「法人企業統計調査などからデロイトトーマツFASが推計したところ、販売費・一般管理費に占める不動産関連経費は製造業で34%、非製造業では54%にのぼる。総資産に占める有形固定資産の割合は製造業で24%、非製造業では37%にもなる。会計制度変更はこうした存在感を顕在化しただけとも言える」(日経産業新聞)。

今回の時価開示は、不動産会社をはじめ一般企業の保有不動産の収益力、財務力をより透明化するため、これまで「含み資産」といわれた隠れた不動産価値を炙り出し、公開することになるので不動産業界はもとより不動産保有ウエイトが高い一般企業の株価にも影響を及ぼすと見られている。

賃貸不動産の時価開示は、近年、注目されているCREマネジメント、そこから発生する不動産の有効活用・売却等により不動産市場にも影響が波及するのは必至と見られている。CREとは、企業が保有するビル、工場、店舗、社宅、遊休地などの企業不動産を経営資源と位置づけて企業価値向上の観点から、経営戦略的視点に立って見直しを行い、有効活用や効率管理して不動産投資の効率性を最大限向上させていこうという手法である。再開発や証券化、売却、賃貸で収益を上げることも含まれる。

すでに06年3月期に導入された減損会計では、事業収支の悪化で不動産への投資額が回収できない場合に簿価を切り下げる形で減損損失を計上するようになった。今回の時価開示で減損処理に至らなかった投資不動産や遊休不動産、賃貸不動産の時価が発表されると、金融機関や投資家は、従来の財務諸表に不動産の時価を反映させた形で企業価値を見るようになる。

例えば、投資効率が低いビルを抱えていては含み損がかさむため、企業は不動産の有効活用や売却を迫られることになるが、このような背景がCREの追い風になるわけだ。
さらに近年は、不動産を保有するだけで多くのリスクにさらされる。地価下落リスクに加え、土地工作物の所有者責任、耐震、アスベスト、土壌汚染などのリスクにも対応しなければならない。またステークホルダーへの説明責任から保有資産の効率的な利用は企業にとっての重要事項になってきており、企業のプレッシャーも年々大きくなっている。このような観点から保有資産の中でも大きなウエイトを占める企業不動産の売却・賃貸・取得に係る適正配分や、効率的利用は、中長期を見据えた企業戦略の最重要課題となっている。

しかし、CREに対応している企業は、現状で極めて少ない。例えば企業の保有する不動産について、登記簿や取得時の契約書などの基本的情報から、施設の修繕履歴(工事費、CAD化された工事図面)、個別のリスク・遵法性に加え都市計画情報、路線価、時価などが一覧・個別で閲覧・出力可能な状態にデータベース化され、関係部署や関連会社間でデータの共有化がなされているなどということは一部の先端企業を除くとまずない。CRE戦略のステップ1ともいうべき企業保有不動産に関する一元的なデータ管理すらなされていないところが多いのが現状だ。

このような一般企業のCREへの取り組みの遅れをビジネスチャンスと捉え、不動産・建設の各社が蓄積した不動産の再開発や運用ノウハウを生かして、企業に多様な不動産活用を提案し、本業のビジネス拡大を図るという取り組みが目立っている。

06年3月期に保有不動産の時価が簿価を大きく下回った場合に損失計上する「固定資産の減損会計」が義務付けられ、09年3月期に「販売用不動産の低価法」が適用され、そして今回の「賃貸等不動産の時価開示」が始まった。不動産を巡る会計ルールが年々厳格化されていくという一連の流れのなか企業が従来のバラバラの管理体制のままでは対応に限界がある。

不動産の減損処理・評価損益の計上並びに不動産を経営資源として適正に配置、有効活用、売却するなどの戦略的な取り組みが今後、企業に求められるため、CREマネジメントがより注目されていくと思われる。

CREとは、企業が保有するビル、工場、店舗、社宅、遊休地などの企業不動産を経営資源と位置づけて企業価値向上の観点から、経営戦略的視点に立って見直しを行い、有効活用や効率管理して不動産投資の効率性を最大限向上させていこうという手法である。再開発や証券化、売却、賃貸で収益を上げることも含まれる。

日本の不動産の資産規模は、約2,300兆円。そのうち企業が所有する不動産は、金額規模では約490兆円、面積規模では国土の約14%を占めるといわれており、CREビジネスの眼下には巨大なマーケットが広がっている。

企業の固定費のなかで人件費に次いで大きな割合を占めている企業不動産だが、オフィスや工場など業務用固定資産・不動産の施設・設備のコストの一元的管理や適正配分、効率化などのマネジメントは、大手企業でもかなり遅れているのが現状だ。

例えば企業の保有する不動産について、登記簿や取得時の契約書などの基本的情報から、施設の修繕履歴(工事費、CAD化された工事図面)、個別のリスク・遵法性に加え都市計画情報、路線価、時価などが一覧・個別で閲覧・出力可能な状態にデータベース化され、関係部署や関連会社間でデータの共有化がなされているなどということは一部の先端企業を除くとまずない。CRE戦略のステップ1ともいうべき企業保有不動産に関する一元的なデータ管理すらなされていないところが多いのが現状だ。

しかしながら、企業は、企業を取り巻く制度インフラ改正への対応が迫られておりCREを避けて通れなくなっている。固定資産の減損会計、M&Aの際のパーチェス法(時価評価)の一部導入、棚卸資産(販売用不動産)の低価法の強制、リース会計基準変更に伴うファイナンス・リース取引のオフバランス化基準の厳格化など今後予定されているものも含め、早急な取り組みが企業の至上命題になってきている。

さらに近年は、不動産を保有するだけで多くのリスクにさらされる。バブル崩壊後の地価動向に見られるような地価下落リスクに加え、土地工作物の所有者責任、耐震、アスベスト、土壌汚染などのリスクにも対応しなければならない。またステークホルダーへの説明責任から保有資産の効率的な利用は企業にとっての重要事項になってきており、企業のプレッシャーも年々大きくなっている。このような観点から保有資産の中でも大きなウェイトを占める企業不動産の売却・賃貸・取得に係る適正配分や、効率的利用は、中長期を見据えた企業戦略の最重要課題といっても過言ではない。

多くの企業では、総務部や管財部といった部署で、企業不動産が取り扱われ、施設・設備のコストダウンとか社屋の改善、遊休地の土地活用などとして個々バラバラに対応し、そこで蓄積された諸データの一元管理すら覚束ない状況だった。しかし不動産や建設を取り巻く法制や社会環境は年々複雑化し、そのための専門スタッフ養成が追いつかず、蓄積された諸データは、脈絡もなく散在し、企業不動産の中長期的な適正管理戦略はおろか目前のリスク管理やコンプライアンス体制構築すら困難な状況になっていた。

このような一般企業のCREへの取り組みの遅れをビジネスチャンスと捉え、不動産・建設の各社が蓄積した不動産の再開発や運用ノウハウを生かして、企業に多様な不動産活用を提案し、本業のビジネス拡大を図るという取り組みが目立っている。

不動産・建設各社のCREビジネスの構成は、各社の専門スタッフが、データベースを駆使し、デューデリジェンスを行って企業不動産の状況を詳細に把握。その結果、当該不動産のリスク要因や収益性を徹底的に洗い出し、各物件について企業価値を極大化させるための戦略を検討するという流れで、そのプロセスから、企業不動産の売却、購入をはじめ、不要資産や低収益不動産については、他用途へのコンバージョンや税制の特例を利用した資産の組み換えなどを提案するといったものだ。このようなマネジメントを可能にするためには、CREの各マネジメントサイクルに対応できるITシステムの支援が欠かせない。

CREを支援するITシステムとしては、各物件の基本情報が一元的に管理され、容易にリサーチができ、リスク要因や収益性、市場データを抽出して、個別・一覧で閲覧・出力可能であること。さらに改善策のシミュレーションや提案が、経理・税務、会計データと連携・統合されて、企業戦略の大局的観点から総合的に判断できることである。

このようなシステムを自社で独自に構築することは、現実には困難なため、ASPサービスによるIT支援を受けている企業が多い。例えば、清水建設の社内ベンチャーであるプロパティデータバンク社の「@プロパティ」サービスは、運用管理の現場に散在する不動産情報を、ASP企業が運営するインターネットデータセンターに一元的に集約し、現場担当者が必要な情報にタイムリーにアクセスできる。セキュリティ対策が施され情報漏えいなどの心配がなく高い安全性が確保されている。既に不動産投資ファンドでの利用率は50%強であり、CRE分野でのデファクトスタンダードを目指している。

日本土地建物のCREビジネスへの参入は早く99年からCREを手掛けている。この事業領域では先進企業で、大企業とのパイプを生かして培ったコンサルティング能力をテコに企業との取引を強化している。08年10月期に40億円だったCREマネジメントの売り上げ高を今後2年間で80億円に倍増させる予定だ。また同社は3年間で担当者数を40人に増員している。

CRE参入企業の特徴は、不動産データの一元管理のため、ITシステムを構築していることだが、同社も独自に開発したITシステムを活用する。「日本土地建物は、08年12月2日、「CREマネジメントシステム CREX」をリリースした。CREXシステムは、企業不動産(CRE)の情報を整備、一元管理するためのソフトで、多様なアセットタイプ、権利情報等の詳細項目にまで対応するほか、工事履歴、リスク情報も付加。登記情報・画面・契約書・画像等を一元管理するほか、表計算ソフトへのデータ出力により、独自の集計や分析が可能という」(不動産流通研究所)。

また日本経済新聞によると自動車販売のヤナセと契約し、同社本社のある敷地(約2万㎡)の再開発構想作りに着手するなど、資産価値を高める支援事業を展開している。

三菱地所もCREビジネスに本格的に参入している。三菱地所の子会社である三菱地所リアルエステートサービスが先に紹介したプロパティデータバンク社の「@プロパティ」の基本機能をベースにしたCRE戦略支援パッケージ「CRE@M」を開発。①CRE戦略立案支援②土地・建物の簡易デューデリジェンス③ファシリティの簡易診断などを軸にしたCREソリューションをワンストップで提供。簿価に合った稼働状況にあるかなど査定し、資産処分や再開発、低地価の不動産との組み換えなどの提案営業を展開する予定で、首都圏の営業担当者を前年度比で約2割増員した。

野村不動産ホールディングスは、11月末に東芝の子会社「東芝不動産」の発行済み株式数の65%を取得すると発表した。東芝不動産は東芝の連結対象から外れ、12月末日までに譲渡を完了。この結果、東芝本社が入居する東芝ビルや梅田スカイビルなど約150物件を野村不動産HDグループが保有することになる。日本経済新聞記事によると、野村HDの狙いは東芝本社とのパイプを作り、将来はオフィスや工場を含めた東芝グループ全体のCREマネジメントを展開することにあるようだ。

以上は、企業用不動産を大量に抱える大手企業をターゲットにしたCRE支援であるが、中小企業を対象としたCRE事業を展開しているのが新日本建物である。同社はもともとマンションデベロッパーだが、08年8月からグループ会社のアスリートを通じてCRE戦略支援事業に参入した。

「先行きの不透明感が増す経済環境のなかで、保有不動産の有効活用策についてのニーズが高まっていると判断。弁護士事務所、税理士事務所、会計事務所のほか金融機関ともタイアップし、中小企業をメーンに展開していく方針。現在、既に数案件の依頼がきているという」(住宅新報社)。

上記の不動産各社のほか清水建設、フジタなどの建設各社もCRE事業に参入しており、IT支援ソフトの開発・リリースや担当人員の増員を行っている。国際会計基準へ企業が対応するには、企業サイドの事業用・投資用などの不動産活用や収益率の細かな開示が必要になるため、不動産・建設の大手各社を中心とするCRE支援部隊の活躍の場が広がることは間違いがないようだ。

CREビジネスを不動産各社が展開していく上での今後の課題は、企業のCREは、あくまで企業価値を増大することを主眼とするのだが、不動産ビジネスとして見た不動産の収益率やコストダウンと、定量的に測れない従業員の満足度とか、企業の定性的価値といった側面をどのように調整し評価するかであろう。