竣 工 2020年3月
最寄駅 表参道駅徒歩12分
総戸数 121戸

住 所 東京都港区南青山7-10-6
概 要 地上15階 RC造
駐車場 13台/月額38,500円
※オーナー様向け、①~③の弊社募集条件です。
【①.弊社管理手数料2%】
【②.弊社貸出成約報酬0.5ヶ月】
【③.弊社売却手数料1.25%】

■内覧予約・空室確認など、是非お気軽にお問い
合わせくださいませ。迅速にご対応いたします。
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■物件名フリガナ
パークナードフィットミナミアオヤマ山ビスタ
パークナードフィット南青山VISTA

■近隣周辺施設情報
成城石井西麻布店まで約320m
ナショナル麻布広尾ガーデンヒルズまで約740m
まいばすけっと西麻布店まで約690m
セブンイレブン港区南青山7丁目中央店まで約140m
日本赤十字社医療センターまで約600m
渋谷広尾四郵便局まで約320m

物件名 パークナードフィット南青山ビスタ賃貸
所在地 東京都港区南青山7-10-6
最寄駅 東京メトロ銀座線「表参道駅」徒歩12分
物件特徴 REIT系ブランドマンション、デザイナーズ
構造規模 地上15階 RC造
総戸数 121戸 築年月 2020年3月

■駐車場   13台/月額38,500円
■バイク置場 ―
■駐輪場   121台
―――――――
■設 計   株式会社スタイレックス
■施 工   多田建設株式会社
■管理形式  巡回管理
―――――――
■保 険   借家人賠償付き火災保険要加入
■ペット   不可
■楽 器   不可
■保証会社  利用必須
―――――――
■間取り
□1R~2LDK(24.58㎡~52.09㎡)

※駐車場・バイク置場・駐輪場の詳細はお問合せ下さいませ。

建築コストは、2~3年ほど前からすでに上昇を開始していた。その当時の建築費上昇は不良債権処理待ったなしの頃で銀行主導もあり、受注高に力点を置き採算を度外視してきたことに対するゼネコンの軌道修正が原因だった。鹿島、大成など大手ゼネコン4社の経営状態は、完成工事の減少や、工事採算の悪化で4社全てが前年同期比減収となり、経常損益が悪化した。なんのことはないゼネコンが1~2年前に安値受注したマンションが続々と完成したが、締めてみると大幅赤字だったことが判明したという訳だ。利益率が高い公共工事が削減され急減したため、残された成長市場ということでマンション工事になだれ込み、激しい受注価格競争を繰り広げた結果なのだ。さらなる業績悪化の進行に対してゼネコンに融資している銀行サイドの赤字受注の監視が厳しくなり、その結果、建築費が上昇したという顛末である。

最近の建築費上昇は、中国特需の影響で鋼材など素材市況が高騰したためだが、現下の買い手市場を考えるとマンションデベロッパーは、建築費上昇分を販売価格にオンすることはしないだろう。首都圏のマンション売れ行きに陰りがでてきたと言われる状況に加え、1次取得者の購入意欲は雇用不安、賃金デフレで厳しいため、用地仕入れ段階で設計事務所とコストマネジメントを駆使し、設計VEで経済設計を徹底し、建築コスト低下で乗り切るか、最悪の場合、品質に問題がある欠陥マンションを販売するかもしれない。

いずれにしろマンション各社には、土地購入コスト・建築費上昇を利益を削ってでも販売価格には転嫁しないという苦渋の選択しかない。例えば住友不動産はマンション事業の営業利益率(連結)が前期見通しの14.9%から07年3月期に13.8%に下がる前提で3ヵ年計画を策定した。

しかしながら利益率の低下で供給抑制を考えている業者より、いまのところ利益率低下覚悟で拡大路線を目指すというのが大半の業者のスタンスのようだ。このような強気の拡大路線をささえる背景には団塊ジュニアをはじめとする住宅の1次取得者の住宅需要や、団塊世代など郊外の戸建て住宅を売却し都心に移る買い替えのほか、個人事務所やセカンドハウスとしての需要への期待がある。

高騰する建築コスト対策であるが、鋼材価格で鉄骨より安い鉄筋コンクリート製が注目されている。東京建物のブリリアタワー東京はRC造で、世界最高強度のコンクリートにより遮音・断熱性能を高め、強風による振動も抑えた高い居住性を実現し、鉄骨造に比べ工事費を20%程度削減している。また高層マンションの建築工期を短縮し、開発期間全体を短縮し、資金回収を速めるため、戸田建設や三井住友建設は1フロア躯体構築期間を1/2に短縮する新工法で施工を始めている。三菱地所のWコンフォートタワーズは戸田建設が受注し、新工法を適用した。

02年改正建築基準法の施行による規制緩和は、マンション業者の事業採算に好影響を与え、建築物の付加価値向上に寄与している。02年の建築基準法一部改正で採用された天空率は、03年1月から施行されたが、マンション業界にとって事業物件に天空率を適用することにより、従来の道路・隣地・北側斜線規制による建物の高さ制限の影響で容積率を消化できなかった敷地の高さ制限がなくなり、容積アップが見込めるため、住戸・階数が増加し、事業収支が好転する可能性が高まった。建物のボリューム増だけでなく天空率の適用で塔状建物を建てれば斜め壁などがなくなり景観の良い建物形態や売れる間取りなどのプランニングも容易となったたのでこれまで没にしてきた過去検討物件を再検討するところが増えている。

不動産経済研究所の予測では、全国のマンション供給戸数は前年比10%増。17万戸の新築マンションが供給される。東京湾岸地域の超高層マンションの販売がこれから本格化するため、過剰供給→売れ残り在庫の積み増しという不安要因が業界に増幅されるわけだが、このような状況下で販売マンションの他社との差別化、販売手法の工夫、新規顧客層の取り込みなどマンション各社は販売戦略の工夫を重ねている。

日本経済新聞によれば、野村不動産は今年9月に発売するプラウドタワー二子玉川の16階以上の高層階では入居者が内装・間取りを自由に設計できるようにした。他社との差別化をするため大型物件ではコストアップにつながる自由設計をあえて取り入れた。住友不動産は販売中の大型超高層マンションで最上階、東南の角部屋を購入希望者の競争入札にした。通常の販売価格より1億円高い約2億5千万円で落札されたといわれている。

少子高齢化社会では、日本の住宅の基本モデルとなってきたLDK神話が崩れたと言われ、子供なしの共働き夫婦や一人暮らしが増加している。最近、流行のコンパクトマンションと言われる商品は、単身者・DINKSを狙った商品だが、野村不動産は子供が独立した50~60歳台に照準を当てたマンション販売を強化する。

また分譲マンションの購入ネックになっているのが雇用・所得が流動的な時代にローンを抱える不安であるが、住戸の一部を賃貸に回し、賃料収入をローン返済の一部に充てることで返済不安を解消する2戸一体型マンションなる商品も誕生した。マンション開発のリッチライフの一体型マンションにはトイレや浴室が2つある。簡単な工事をすれば台所も1つ増やせる。玄関も2つ用意されており、1つの住戸に二世帯が住める。世帯を区切る壁の一部は扉に付け替えることも可能。子供が生まれるなど家族が増えたときは賃貸に回していた部屋を寝室や子供部屋として使える。

ひたすら高層化を志向し促進する建築基準法の改正などの相次ぐ規制緩和、マンション各社による利益を削ってまでの洪水のような大型高層マンションの大量供給と大都市には目まぐるしく大規模高層マンションが林立し、さらに今後も増加する勢いだ。この供給を支える需要がどこまで続くのか?という素朴な疑問が湧いてくる。

まず逆都市化時代というこの著書のタイトルであるが、大西氏によれば、民間プロジェクトを実施しやすくするため規制緩和を図るという都市再生法スキームは、プロジェクトを通じたオフィスビルや住宅の供給面しか着目しておらず、人口減少社会の到来で人口減少に規定される需要減少を考慮していない。日本のこれからの都市はその時代を積極的に利用して、開発への圧力が強かったこれまで都市化時代にできなかった都市と自然との共生のような、失われつつある価値を再生すべきであるという意であり、これまでの土建社会的発想からの脱却を意味する。

都市再生法は、不良債権処理からその発想がスタートした。容積率などを規制緩和し、高度利用を促進することで土地の経済価値を上げ、その結果、地価が上昇し不良債権処理がやり易くなるという金融機関や企業の市場主義が色濃い。

欧州に見られる都市再生は、自然環境と地域文化の再生が都市再生の両輪になっており、経済活性化に寄与しているが日本は民活をスローガンに市場主義の都市再生を志向している。失敗に学習することもなく、今また市場主義に基づく都市再生が展開している。大地の上に巨大な建物が聳立するけれども、大地の上から人間の生活は奪われ、無機質な死せる都市が誕生するだけである。

都市再生スキームには、人口減少→需要の欠損という認識の欠落もそうだが、これからの都市と高層建築の在り方、高層建築に住む人間の精神・健康面の研究・検討などという鳥瞰図と都市哲学が殆どなかった。

大西氏は著書の中で日本の人口は2007年をピークに減少に転じようとしている。現に東京都でも人口のピークを2010年とし、それ以降の人口の減少を想定している。また引き続き高齢化が進むので労働人口はいっそう減少すると指摘。将来はオフィスも住宅も新規の増加分は減少し、更新需要が主体となると予測している。

日本総合研究所経済研究センター所長山田久氏も団塊ジュニア層の下支え効果が剥落した後は、中古住宅やリフォームなどの更新需要に移行し、住宅市場が変化すると予測している。

いまから35年前に政府・人口問題審議会の報告書はわが国の出生力、人口再生産力は人口学的基準から見て下がりすぎていると警告をだしていた。しかし、当時は、高度成長真っ只中で、人口増加のメカニズムが逆回転をはじめたことに誰も気がつかなかった。いままさに事態は深刻だ。狼狽した政府がだす年金問題のデータは二転三転し、国民は呆きれている。

人口減少時代の地方・都市問題については松谷明彦著が注目されている。松谷教授は人口減少高齢化社会の到来=地方の一層の疲弊と衰退という社会通念を逆転させ、人口減少社会では大都市圏より、地方が豊かになれると宣言している。つまり高齢化の速度は大都市には20代、30代の人が非常に多くて偏在しているが、これから20年後、30年後はこの年齢層のその人たちが大量の高齢者になり、その結果、高齢化率が大幅に上昇する。従って、大都市のほうが高齢化率の上昇速度が早い。重要なのは、その過程で、労働力もまた高齢化し、今後における大都市の生産能力が大幅に低下する。つまり東京など大都市ほど衰退すると指摘している。

国立社会保障・人口問題研究所の小池司朗研究員は地方でも少子化の影響で都会に出る若者は少なくなると予測している。若者の東京への流入の減少は、松谷教授が指摘する東京の急速な高齢化進行と相俟って東京圏の衰退を加速させる。当然、住宅需要も今後縮小する。

いままでは人口構成比のなかで相当なボリュームを占める団塊世代による旺盛な住宅需要は1980年代の地価上昇に多大な寄与をした。その団塊ジュニア世代の住宅需要の周期がいまきており、マンション需要の大半は団塊ジュニア世代が支えている構図だが、団塊ジュニアの需要の一巡後はかつてない本格的な人口減少時代が到来する。

このように需要がジワジワと減少していくなかで大規模高層マンションという大量の住戸の新規供給を盛んに続けるスクラップ&ビルドの再生産システムは間もなく時代に合わなくなる。

高層マンションは都心部、郊外住宅団地、周辺ベッドタウンという外延的都市形成のこれまでの流れを都心部を求心核とする立方体的都市形成へと転換させた。それを可能にしたのは都心部の相対的地価下落と企業による大量の都心部の保有地売却である。職・遊・住・医・知が都心に集積し、さらにその集積がいままでは商業・業務中心の都心に求められることが少なかった新たな生活空間としての付加価値を創造している。高層マンションはスケールメリットと高層化による土地スペースの解放により多目的コミュニティルーム、ゲストルーム、マンション本体のエントランスにあるフロントのほかのフロント業務専用の建物などが付設されており、通常の中層マンションなどに比べ住棟などの付加価値が高い。

しかしながらまだ国内に出現して間がない高層マンションはそこに居住し生活することについて日本人の誰もが未経験ゾーンであり、積み重ねられた経験というデータベースがない。高層マンションの居住者からいくつかの問題が提起されている。

高層居住で子供たちの心と体は育まれるかでは高層マンションに居住する子供の成長上の問題点を指摘している。高層マンションの子供は、同年齢の子供たちと比べて心の成長という面から見ると問題があると同誌は指摘している。例えば、高層マンションは大人向けの間取り、しつらえであり、子供の目線や行動を配慮していない。子供は世界を広げていくことで人間関係を深めていく。10歳までの間にいろんな人たちと付き合い、多くの感動を受けるべきです。大人たちが怖い、危険だと思っている所で経験を豊富にすることができないだけでなく、心の傷が深くなる恐れすらある。また高層マンションは外に出にくいため家に閉じこもりがちだが、親が子供に対し一方的に関わってしまい、良くも悪くも密着の度合いが強くなる。この高層特有の構造が子供の自発的な行動をスポイルしてしまう。例えば、上層階と下層階に住む子には生活習慣の違いが明らかである。外にでるという行動に伴う衣服の着脱、靴を履く、挨拶などが上層階の子供は不十分で不活発な子供になりがちである。

同誌で高崎健康福祉大学の松本恭治氏は英国では、心理的、生理的な側面から高層の建物を規制しています。 英国の集合住宅は3階建てが基本で、部屋の中から子供の遊んでいる姿を見ることができるようになっていると話している。

高層マンションは大人にとっても住民間のコミュニケーションは特に成立しにくいといわれている。上層階と下層階では所得、家族構成が違うため共通の価値観や話題がなく、中層のマンションなどに比べより峻別された価格の差別化だけが居住者心理に過剰に歪んで反映されかねないからだ。

高層マンション居住は、幼児期・発育期の子供を持つ家庭、単身者、DINKS、子供が独立した老夫婦などの家族構成との関連で慎重に検討されるべきであろう。

また都心回帰をもたらした求心力は居住者が勤務するオフィスに近いという遠距離通勤の疲労と時間からの開放であった。しかしITと高速ブロードバンド回線の普及は、極論すれば情報通信環境さえあればどこにいても仕事ができるという仕事環境を生み出した。情報通信技術(IT)を利用した場所・時間にとらわれない働き方をするテレワークは、都心勤務者の在宅勤務を容易にしたため、都心マンションに居住するという需要以外に都心通勤距離と関係なく自然環境や住環境の良い住宅をホームオフィスとして使用するというトレンドも発生している。国交省の調査では、総テレワーカー数は1,000万を超えた。さらに政府のe-japan戦略では2010年までにテレワーカーが就業人口の2割を占めることを目指すとしており、政府主導で公務員の2割がテレワーカーになると民間の就業形態へ与えるインパクトが大きいためテレワーカーの飛躍的な増加が現実となる。

企業側もいままでは、勤務者が職場にいないと従業員の管理ができないとか、働き具合がチェックできないとか、フェイス・トゥ・フェイスでなければ仕事の肝心な部分のコミュニケーションが成立しないなどで在宅に踏み切れなかった。しかし勤務時間より成果主義という時代の流れに加え、ITの急速な進化が雇用を取り巻く環境をガラリと変えた。オフィスと自宅を繋ぐPCで相手の顔と音声は勿論、テキスト、画像までやりとりして1対多、多対多の多面的コミュニケーションが可能となると在宅の主婦、高齢者、身障者にまで情報通信機能を活用して仕事環境を構築できる。まさに企業にとって少子高齢化時代を乗り切るための必須カードとなってきている。

今後、テレワーカーの増加は、都心マンション居住を求めるシティライフ派と地価が安く自然と共生する住環境でホームオフィスを構えるスローライフ派に住宅需要を分散するだろう。

マンションが売れないことに加え、サブプライムローン問題以後、銀行が不動産融資を絞り、中堅のマンション事業者や新興不動産会社など財務基盤が脆弱な企業が、一気に破綻危険ゾーンに突入している。破綻しているのは、準大手以下のゼネコン、中小マンション会社、ハイレバレッジモデルで無理な借り入れ依存の事業モデルを推進してきた資金的に余裕がない新興不動産会社といったところに多いのが特徴だ。

マンション業界は、土地仕入れ値や建築費の高騰を吸収すべく販売価格を設定してきた。年率10~20%の販売価格上昇は、購入者の購入限界値を超えて売れない、購入者が買える値段とのギャップを埋めるべく値下げを断行、専業デベロッパーの中には1~3割値下げしている企業もある。しかし時すでに遅しで契約率が低下、在庫が積み増されているのだ。

不動産経済研究所の調査では、首都圏で、発売戸数に占める契約戸数の割合である契約率は、05年で82.5%だったものが、07年には69.7%に急落。直近の08年7月は、前年同期比20.6ポイント下落の53.5%と今年1月以来の50%台を記録した。首都圏の販売在庫も6月末時点で10,760戸と飽和状態とされる1万戸を7ヶ月連続で超えた。

購入者サイドからすれば、所得が上がらないが物価は容赦なく上がるため、実質所得が低下しており、生活防衛色を強め、年収の5倍とされたマンションの購入価格ラインを年収の3倍までに堅めに見積もる世帯が増えている。さらに連日のようにメディアが報じるマンションデベロッパーの倒産続出で消費者の購入マインドは冷え込み買い控えているのだ。

マンション専業デベロッパーは、用地を取得し、マンションを建設して販売、アフターケアなど一連の流れを事業として行うのだが、建設はゼネコンに外注し、販売業務も外注することが可能なため、資金調達(銀行借入)の目途を立てれば、意外に簡単に事業を遂行できる、参入障壁が低い業界である。このため折からのマンションブームで財務基盤が脆弱な会社が多数参入してきた。

これらの専業デベロッパーの内情は、用地取得費、マンション建設費を銀行借入で資金調達し、販売できれば返済するといった自転車操業的な事業モデルになりがちで、資金余力のなさから銀行融資が止まれば破綻へ進んでしまうケースが多い。

これまでは、不良債権処理や企業の持たざる経営による土地売却で用地を安価に仕入れ、購入者の購入可能限度以内で販売できていたため、有効需要に支えられて業界に順風が吹いていたが、近年になって用地取得は、相対取引から競争入札に変わり用地取得価格が高騰、さらに建築費が高騰して販売価格の上昇圧力が強まった。反面、購入者の実質所得は低下しており、販売価格と購入可能額のギャップが拡大して売れなくなった。事業環境悪化に追い討ちをかけたのが銀行融資の厳格化で、自転車操業状態で融資が止まると、企業の存続ができない中堅マンション会社の破綻が加速することになった。

さらにマンション不況が、専業デベロッパーの建設工事を請け負ったゼネコンの工事代金の回収を困難にし、中堅ゼネコンの破綻を加速させている。7月30日、異例の3度目の会社更生法の適用を申請した中堅ゼネコン多田建設、7月5日に民事再生法の適用申請をした真柄建設などは、マンション建設の積極受注がマンション不況で資金回収ができず裏目に出た感じだ。

マンション分譲業者の相次ぐ経営破綻がゼネコンを直撃しており連鎖倒産リスクが高まっているので、ゼネコン各社は、危機感から支払条件の後倒しの改善や、与信管理の厳格化に乗り出しているほどだ。

08年に入り不動産投資マーケットを牽引してきた不動産投資顧問会社のレイコフ、グローバンスが経営破綻した。新興不動産会社と呼ばれる設立後10年以内の中堅不動産会社の経営破綻が増えている。新興不動産会社は、ファンドやJ-REITなどへ開発・再生物件を供給したり、物件の売却益や手数料などを得るビジネスモデルを推進してきた。しかしサブプライムローン問題で外資系金融機関は保有していたサブプライムローンやその証券化商品の損失拡大で信用収縮が広がった。邦銀も不動産融資を絞ったため、新興不動産会社の物件の買い手であるファンドなどの資金調達は困難となり、J-REITも投資口価格の下落で増資ができないため、購入サイドの資金調達力が低下して保有物件の流動性が急速に低下した。

市場環境の急激な悪化に加え、新興不動産会社は、新規融資だけでなく借り換えも拒否される有様で資金繰りが行き詰まり破綻するケースが増えている。また金融商品取引法施行で、証券化スキームを使う上での資力や人的構成要件が厳格になり、ファンドの組成が困難になるなど従来手法でデッド、エクイティを調達することが難しくなったことも新興不動産会社のビジネスモデルを行き詰らせた。

外資系金融機関を中心にノンリコースローン債権を束ね、証券化したCMBSを機関投資家へ売っていたが、CMBSの買い手がサブプライム問題以後、細り、不動産市場環境の悪化でスプレッドもワイドになった。CMBSで証券化できるローン対象物件としては市場評価や認知度が低い中小物件はどうしても排除されるため、この側面からも中小規模物件の流動性は低下している。

いま、不動産投資市場では、猛烈な勢いで物件の二極化が進んでいる。地方物件、中小規模物件など流動性が低い物件は、銀行の融資の対象にならないか、金利などのスプレッドが拡大、買い手不在で外部売却も難しくなってきている。新興不動産会社の経営破綻リスクが高まっているのはこのような市況の激変に起因している。

エクイティが潤沢な財閥系不動産会社などは、不動産価格の調整が進むこの時期を絶好の買い場と見て、虎視眈々と物件購入を狙っている。まさに企業の財務力やポートフォリオのクオリティなど個々の内情を反映して、経営悪化で手仕舞いのために物件売却するか、市場の調整局面を外部成長のチャンスと捉えて積極的に物件を購入するかの分水嶺が決定されている。換言すると業界内で勝ち組と負け組みに鮮明に二極分化されているわけで、不動産市況は全体として見れば調整局面なのだが、価格動向を見れば売り一色の下落といった単純な様相でなく、エリアや物件ごとの二極化、まだら模様となっている。

例えば、日経不動産マーケット情報が08年6月に把握した全国のオフィスビルや商業用不動産の取引事例は102件で、中小規模の収益物件は動きは鈍いものの、資金調達力に優れる大手不動産会社による開発用地や優良大型物件の取得は依然として活発で、取引件数は前年同月(111件)とほぼ同水準になった。日経産業紙に掲載された大手不動産各社の取得例を紹介すると、

三井不動産は、6月三井住友銀行系の室町殖産と共同で、読売広告社が銀座に所有していたビルを取得した。隣接する複数のビルも両社で所有しており、合わせて1,100㎡開発用地を確保したことになる。両社は新たなビルに建て替える方針だ。

住友不動産は、6月、東京西品川にある自動車教習所や隣接するタクシー営業所などを取得した。敷地面積は合わせて2万平米に及ぶ。国際自動車が入札で売却したもので、価格は350億円を超える模様だ。

また日本経済新聞によると国内金融系のオリックスグループも08年中に国内の不動産物件に合計3,000億円投資する方針を決めている。都心部のオフィスビルやマンションの割安感が強まったと判断したからで取得物件は原則として長期間保有し、賃料や施設運営で収益を得る計画だ。

海外勢に目を転じると、サブプライムローン問題で、海外投資銀行などの信用収縮が起こり、日本の不動産や不動産企業に投資していた海外投資家の調達資金が枯渇、さらに日本国内投資から資金逃避が起こり、外国人投資家の構成比率が高いJ-REITの投資口価格が暴落したのは記憶に新しい。

日本国内の不動産マーケットの調整局面を迎え攻守所を変えて、サブプライムローン問題で傷を負わず、エクイティが潤沢な海外の不動産投資会社や政府系ファンドが日本の不動産を投資対象として購入していることに注目しなければならない。

またロイターによると、クウェートの政府系ファンド、クウェート投資庁は、対日投資残高を最大3倍の480億ドルに引き上げる計画だ。KIAは日本の不動産セクターや株式市場などへの投資を計画している。オイルマネーで潤う中東諸国の政府系ファンドによる日本不動産投資は、投資方針や取得不動産の詳細については国家機密で非公開だが、既に日本国内不動産に相当額が投資されている。

海外投資家がどのような目線で価格調整が進行中の日本の不動産に投資するのか。有り余るマネーの使い道がないため、気まぐれから日本不動産に一過性の投資をしているわけではない。近年の機関投資家の投資行動の理論的規範とされるモダンポートフォリオ理論に基づく分散投資でリスクとリターンを最適化するため、株や債券、原油・穀物のコモディティなどと価格変動の相関が低い不動産をアセットに加え国際分散投資をしているのだ。

世界のマーケットのなかでも日本の不動産市場は世界2位の市場規模を持ち、J-REITの開設で透明性が高まっており、海外投資家がポートフォリオを組むとき無視できないのだが、日本国内不動産投資に対する海外投資家のスタンスとしては、短期のキャピタルゲイン狙いから長期的視点で利回りが安定したコア投資主体へ投資方針を転換している。

現時の不動産市況を注意深く観察すると、今後の価格動向を占う上で興味深い特徴が浮き彫りになってくる。まず潤沢なエクイティに裏付けられた財閥系不動産会社や海外政府系ファンドが狙う物件は、都心部立地の基準階フロア面積1,000㎡以上のAクラス、Sクラスと呼ばれるハイグレードの大型オフィスビルなどである。大型オフィスビルについては東京都心部の大規模な再開発用地が一巡しており、09年、10年の計画値も抑制的なところから賃料推移も安定的で、空室率も低く、キャッシュフローのNOI基調は、当面は堅調に推移すると予測され、投資家のコア投資のターゲットとしての商品特性を持ち、流動性が高い。懸念材料は国内景気の下振れが強まるとこのクラスの需要を牽引してきた大手企業や外資のオフィス需要に翳りがでることだろう。

一方、中小不動産会社が取り扱う2~3流エリアもしくは、1流エリアでも規模が中小規模といったオフィスビルは、NOIの今後の推移はボラテリティが高く、価格調整局面において流動性が劣るため、銀行融資も厳しく、買い手不在で価格下落が激しいので、今後も市況は軟調に推移すると予測され、不動産の流動性から見たタイムラグから下落がさらに今後、加速する可能性が高い。

分譲マンションや住居系投資物件の価格動向はどうだろうか、分譲マンションのうち単身者向けやコンパクトタイプなど専有面積が狭い分は、容積率や立地など用地の選択基準で、単身者向け賃貸マンションなどレジ系の投資物件と重なり、ファミリータイプの分譲マンションは、同タイプの賃貸マンションと重なりそれぞれの用地は競合するため、タイプごとに互いに類似した価格変動を取ると思われるが、結論から言うと、ともに軟調で、しばらくは価格下落が続くと思われる。

マンションユーザーの所得環境が改善する見通しは、インフレの進行や国際分業での企業サイドの労働分配率の抑制志向からみて厳しく、建築費高騰で上昇する建設費を吸収できる販売価格と購入可能額のギャップ解消に時間がかかるだろう。

特に分譲マンションの市場規模の60%を占める首都圏では販売価格の急上昇から需要が低迷、発売済み在庫が飽和点である1万戸を超える状況が続いているので、しばらくは価格調整が続くと見る。資金余力のない中小業者の淘汰は、加速度的に進むと思われるが、反面、都心部の好立地では大手不動産がブランド力を生かした商品投入を進めており、マンション不況の影響を比較的受けていない。マンション用地でも二極化が激化する。

賃貸マンションでは、後述の人口減少による住宅需要低迷による賃料下落懸念、需要に比べ供給が過剰ではないか、といった不安が市場全体に漂い、J-REITの住居系投資口価格が回復しない要因になっている。わが国では賃貸住宅市場全体の賃料や空室率を把握できる客観性が高い統計データが整備されていないため、このような不安要因をリスクとして定量できずにいることが住居系不動産投資の足を引っ張っている。

長期的にみると04年から国内の人口減少が始まっており、10年後の15年からは世帯数の減少が始まる。住宅の1次取得世代と見られる30~44歳を世帯主とする世帯について見ると、1985年1度目のピークを迎えた後、団塊ジュニア世代の影響により、全体でも2010年には2度目のピークを迎え、核家族世帯ではすでに2005年に2度目のピークを迎えている。以上のことからも、今後、住宅市場が大きく伸びることを期待することは難しいことが解る。といった指摘のように、マーケット規模縮小のカウントダウンがすでに始まっているので、東京など一部の都市は時間差があるものの、住宅価格回復の重しとなるだろう。

東京都市部の古い民家が稠密に集積する住宅密集地の再開発に大和ハウス、旭化成ホームズ、積水ハウスなど住宅メーカーが積極的的に参入している。大規模再開発といえば大手不動産などデベロッパー、ゼネコンがまず思い浮かぶが、都心部の比較的中小規模の住宅密集地などの再開発の場合、その事業成否は地権者、借地権者など関係当事者の迅速な合意形成にかかつている。合意形成には各権利者を一人ひとり説得する地道な活動を要する。このような活動は法人営業を主体とするゼネコンやデベロッパーなどよりも、個人向けのきめの細かい営業が得意な住宅メーカーが得意とするところである。

住宅メーカーは、再開発に伴う移転先の相談・紹介から税金問題、借家人立ち退き交渉等できめの細かい対応のノウハウを住宅営業経験者をはじめとして蓄積している。さらに自社に賃貸住宅の経営支援体制を有し、共同化の不参加者には自社の住宅を販売する等の幅広い対応が可能である。主力の戸建て注文住宅の着工件数は直近のピークだった96年から4割以上減少しており、長期的にも拡大は見込めない。住宅マーケット全体が縮小しても需要拡大が見込める分野として、独自の強みを持つ上記分野への参入が相次いでいる。都内に残る住宅密集地は立地条件が良いことも事業を後押ししている。

JR中野駅の北方に在って徒歩5分、併用住宅、アパート、戸建などが混在、密集したエリアがある。アパートの敷地は幅員2.7mの前面道路に約13mの接道間口で接しており、奥行は46m、ここに築50年以上経過した木造老朽アパートが建っていた。今年3月、大和ハウス工業は、鉄筋9階建てのマンションとして再生させた。周囲の街並みから異彩を放つこの建物の外観は人目を引いている。レジデンスさきがけは大和ハウス工業の密集地再開発事業の第1号案件となった。

再開発までの道のりは険しかった。土地所有権と借地権などが混在し、権利関係が錯綜し建て替えまでなかなか至らなかった。一般論として底地の地主にとって継続時代による収益性は極めて低い。将来の相続を視野にいれると借地関係を解消を希望しているケースも多く、反面、借地権者は、通常は高齢化しており、いままで永く生活してきた居住の場を離れたくない、地域コミュニティが長期にわたり形成されているため遠方への転居は抵抗がある、あるいは借地権価額の清算を望む声もあるなどなどさまざまな関係当事者の要望があるが、これらの個々の利害や要求を調整し、再開発というプロジェクトのテーブルに載せていかなければならない。

大和ハウスは独自の新等価交換方式で建て替えを実現させた。新・等価交換方式は、従来型の等価交換が開発者が建設費を負担する代わりに余剰容積率から顕現する保留床というべき完成後のマンション住戸を取得し、デベロッパー帰属住戸部分の販売によってデベロッパーの事業利益を得るという従来型と異なり、新等価交換方式ではデベロッパーの利益は土地所有者が支払う建設代金に限定され、デベロッパーが完成後のマンション住戸を取得することはない。この方式では借地権者は借地権価額に相応する完成マンションの部屋など区分所有権を取得。残りの借地権者が取得する部分以外すべては土地所有者が取得できる仕組みとなっている。

大和ハウスはオーナーの投資効果の向上、新しいマンションが建設されたことによる地価への好影響、有効空地確保、密集地の不燃化促進、防災の改善など数々の事業効果を謳っている。

大和ハウスは、再開発事業に参入してから約3年だがここにきて急速に実績を伸ばしている。今年度は東神田、日本橋浜町、浅草など東京23区内、約20ヶ所でサキガケ荘と同様の密集地再開発に着手する計画だ。プロジェクトの総事業費は合計で2百億円にのぼる。

旭化成ホームズも都市部の住宅密集地などの開発事業に意欲的で実績を上げている。92年から開始され、現在まで45棟の等価交換事業による共同建て替え・マンション分譲の実績を有し、さらに今後マンション分譲事業を拡大し、5年後をめどにマンション開発など都市再開発事業の売り上げを5百億円程度に引き上げる。

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